語尾には十分気をつケロ。


むむの学生時代は

何故かオシャレさんばかりが

クラスに集まっておりましてな。


アニメを見るどころか、

ゲームすらもしない

みんなで話をする内容といえば、


『休みの日は彼氏とデート♪』

『このカーディガンはどこどこのブランド』


ってなカンジの話が延々と続く

リア充女子ばかりがやたらと生存する

それはもう女子力の高いクラスでありました。


むむはもちろん、

アニメも漫画も大好きだし

ゲームももはや夜明けを迎えるまで

やってしまうタイプだったのですが、


そのクラスで浮いてしまうのがイヤで

メイク濃いめの髪の毛明るめにして

なんとか『ステルスオタク』として

そのクラスに馴染んでおりました。


ある日、むむが自分の席に座っていると

後ろからこのクラスのカースト上位グループ

(でもむむ達のグループとも仲が良い)

のギャル子から話しかけられました。


むむはその時、

地元のオタク友達と

ぶひぶひオタクメールの真っ最中。


仲間とメールでガンガンオタクな話で盛り上がっていたむむは、ふいに話しかけられた事で無意識に答えてしまったのです。


『あぁ、それは知らんケロ。』


…と。


そう、それはその仲間内の間だけで

いつもむむが愛用していた

大好きなゲームのキャラクターの口調でした。


オタク友達とメールをしている流れのまま

今が現実社会の中であるという事を

すっかり忘れ、

うっかりとギャル子の前でも

初披露してしまったヘンテコな語尾。


しまった!!


すぐさま現在の状況を理解し

我へと返るむむ。


オタクであるどころか、

過剰なぶりっこであることすらも許されない

やたら審査の厳しいこのクラスでうっかり語尾に「ケロ」をつけてしまうだなんて!


急いでギャル子の方を振り向くと


「…ケロ…?」


…とそれはもう怪訝そうな表情で

むむの放った語尾を

ギャル子は繰り返し唱えていました。



…終わった…。



きっとこのままギャル子は

自分達のグループに戻って、


『アイツ、ケロとか言ってるんだケド。 』『怖ッッ』


みたいな流れになって

むむはカエルにちなんだ

変なアダ名とかつけられて

残りの学生生活を

カエルとして生きるんだ

わぁぁぁぁんーーーーッッ!!


そんな事を頭の中でぐるぐる考えながら

今からの自身の学生生活を想像して

恐怖していたむむに向かって

そのギャル子はおもむろに口を開き、

そしてそのまま大きな声で言いました。



「…ケロ…?


いまどきケロは…


言わんぜよッッ!!」



…と。


いやいやッッ

いまどき『ぜよ』の方が

絶対言わないからーーーーッッ!!


彼女の予想をはるかに越えた

切り返しに

即座にツッコミながらも


無事、

そのままステルスオタクとして

卒業を迎えたむむ山むむすけでしたとさ。



ギャル子…

土佐藩の人だったのかな…。

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