第12話 異世界で生活のようです。

「これでよし。」

ギルドに着いた俺達は、まず掲示板にパーティー募集の紙を貼った。


「誰か来てくれるかしら?」

エミールは、物凄くワクワクした顔をしていた。でも、気持ちは分からなくもない。俺だってどんなやつが来るのか楽しみだし。

「まあ数日待ってみて、誰も来なかったら考えような。」


パーティーの募集をした後、ひとまず自分達の拠点を見に行くことにしたのだが.....


「ナニコレデカクネ。」

そこにあったのは、バカでかい屋敷とその周りを囲むくそ広い庭だった。まあ、ある程度予想していた所ではあるが....

「と、とりあえず中に入るか?お前の荷物も届いてるかも知れないし。」

「そうね。入りましょう。」

エミールは、そう答えると巨大な扉を押した。


「お帰りなさいませ!ご主人様!お嬢様!」

「どわっ!」

扉を開けて中に入ると、たくさんのメイドさんが出迎えてくれた。.....いやいやなんでメイドさんとか居るの?本当に金持ちだな。

「お嬢様。お荷物は、お部屋にお運び致しました。」

「あら、ありがとう。ところで.......」

エミールは、すぐに会話を始めてしまった。

さすが、お嬢様だな。手慣れてるよ。


「カイト様。」

「ひゃ、ひゃい。」

突然声をかけられたので、驚いて振り向くと声をかけてきた人が思ったより近くにいてぶつかってしまった。その拍子に俺もバランスを崩し一緒に倒れて....

結果メイドさんを押し倒すと言う謎の状況に陥ってしまった。

「す、すみません。」

「........」

うわー。完全にやったわ。人生終わった。

「とりあえず。上から降りて貰えますか?」

「あ、はい」

俺はゆっくりとメイドさんの上から降りた。

少し頬を赤らめていたメイドさんは一瞬で冷静な表情、つまり仕事の表情に戻った。

「お荷物はお持ちでないみたいなので、お部屋に案内してもらってください。」

「あ.........」

行ってしまった。本当にどうすればいいんだろう。今度会ったときにきちんと謝らないとな。

「それでは、ご主人様。お嬢様。お部屋にご案内致します。」

さっきのメイドさん。絶対俺に話しかけてこないよな。どうしよ。


「おわ~。部屋まで金持ち。」

部屋の広さはもちろんなんだが、ベットが。なんか、お姫様とかが寝ていそうなやつ。こんなのに、寝ていいのか?


「やっべー。ベットフカフカ過ぎ。」

これは、あれだ。よくテレビで宣伝してる、アスリートとかが使ってるやつだ。高いやつだ。

「これ。飯とかヤバイんじゃね。」

夜が楽しみになってきた。


「カイトくーん。ちょっと来てくれないかしら~。」

ん?なんかあったのか?


「おいエミール。どうした?なんかあったのか?」

「ちょっと思い付いたことがあるのだけれど、あなたのスキル家事スキルよね?」

「そうだけど。」

「家事をやってみたらどうかしら?」

「え?」

なんで、俺が家事をやらなきゃならんのさ。メイドさんがいるじゃん。

「いやー。でも、俺家事のやり方分からないし。」

「みんなに、教えてもらえば良いじゃないの?」

「あ、そう、か。」

そう言う流れなの?てことは、飯も自分で作るの?楽しみにしてたのに?

「それに、スキルの熟練度をあげると発展のスキルが出現するのよ。」

「あ、そう.....え?」

そんなのあんのかよ。なんか、強くなれそうな気がする。

「しょーがない。やるか。」

こうして、俺はメイドさん達に混ざりながら家事をすることになった。



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現世最弱の男が、異世界で冒険を始めるようです。 つかみ @kokuyo

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