第6日 能力測定のようです。
「着いたわよ。」
「おお~。」
ギルドは、いかにもギルドと言う感じの建物で、そこには様々な職種の方達がいた。ここで能力を測っていくわけだが、エミールいわく、測定する能力は主に5つあるらしい。
魔法力。攻撃力。防御力。知力。体力。
この5つの能力の数値により、着ける職業や行けるクエストなどが決まると言う。また、この5つの能力の他にその人固有のスキルが存在したりするらしい。
「なんだか、緊張してきたな。」
まあ、異世界転生のお決まりとして能力が凄く高いって事もよくあるし、あんま心配はしとらんが。
「大丈夫よ。何も痛いことはされないから。安心して。」
逆にその言い方されると、怖いんだけど。
「カイトさん~。ヤツガタケカイトさん~。三番までお越し下さい~。」
「俺呼ばれたわ」
よし。遂に俺の能力がお披露目だ!
「行ってらっしゃい。」
俺の高い能力を見せて、エミールを驚かしてやろう。
「それでは、こちらに手をかざしてください。」
「は、はい。」
やっぱ緊張するわ。俺の能力どのくらいなんだろう。
「はい。測定完了です。そちらから、能力が印刷された紙が出てくるので、それを受け取ってください。」
ウィーン。カシャカシャ。と音をたてて機械が紙を印刷する。
「おお。これが俺の能力か。」
さてと。どんなもんかな。
「・・・・・・・」
字が読めない。俺、言葉が通じていて安心してたけど、この世界の字は読めないらしい。
「すみません。」
仕方ないから、受付のお姉さんに声をかける。
「はい?なんでしょう?」
「これ、読んでくれませんか?」
「はい?」
お姉さんは、怪訝そうな顔をして紙を受け取った。そりゃそうだよな。字読めないなんて変だもんな。
「えーっと……」
ん?どうしたんだろ。
「どうかしましたか?」
「あの~。この内容は大変申し上げにくいと言うか…」
うん?どう言うことだろうか?
「あの~。俺そう言うの気にしないんで大丈夫ですよ。」
うん。なんのことかさっぱりだ。
「そうですか。では、まず能力ですが。」
来たぞ。これで、俺の凄まじい能力が発覚しギルド中大騒ぎに。
「全数値が、最低ラインです。」
「は?」
サイテイライン?ナンダソレ?
「いや?あのー。聞き間違えですかね?今最低って聞こえたんですけど。」
「はい。言いましたが。」
嘘だろ。まさか、異世界転生したけど、能力低かったタイプの主人公になるなんて。
「そして、固有のスキルですが。」
まてまて。きっとここで凄まじいスキルが来るに違いない。
「家事スキルです。」
「はい?」
「家事スキルです!」
「二度言わなくて良いでしょ。」
なんだそれ?家事スキル?使い物になんなくねそれ。
「以上です。職業申し込みはそちらの窓口でできますので。」
「ありがとうございました。」
俺はほとんど死んだような声でそう言って、エミールの元へ戻ったのだった。
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