第5日 町に到着のようです。
「おお~!」
目の前には大きな宮殿があり、周りには俗に言う城下町が広がっていた。
「ここが、エレア王国の首都ラックスの中心街。目の前に見えるのが、国王のいる王宮よ。」
いやー。さすが異世界とでも言うべきだろうか。城下町は多くの店がならび、アニメやゲームでしか見たことのないようなエルフやドワーフ、獣人など、多くの種族の人々で賑わっている。
そして、極めつけは目の前の王宮だろう。例えるならば、インドのタージ・マハル。しかし、それを遥かに越える大きさで町の中心に佇んでいる。
「はぁ~。すげえな」
これには、思わずため息を漏らしてしまう。
「どう?この町素敵でしょ?」
「素敵だ。と言うべきなのかな。言葉で表すには俺の語彙力が足りねーや。」
素敵?格好いい?荘厳?どんな言葉も、この町を表すには薄っぺらいものだ。まあ要するに、それくらい凄いってことよ。
しばらく町を歩いていてみたが、日本で見かけたような気がするものから、見たことのないものまで様々な店が並んでいた。
「ん?なんか言い匂いがするな。」
日本で言うカレーのような匂いだろうか。スパイシーな感じがする。
「あー。この匂いは、ガリーね。この町の名物なのよ。たしか、昔にカイト君のように遠方から来た人が、この町で売り出したことが始まりだと言われてるわ」
「へー。」
これ、完全にカレーだわ。俺の他にも日本もとい、地球から来たやつが居たのか。
ここまで考えたところで、そう言えば今日まだ朝飯を食べていないことに気がついた。
「腹減ったな~。」
「あ、じゃあガリー食べに行く?」
「そうすっか。」
やっと飯にありつける。ありつけり。ありつけれ。実はわりと腹減ってたんだよね。
「あ!でも、俺金持ってないわ。」
「じゃ、じゃあ私が奢るわ。うふふ。友達に奢るのって、夢だったのよ~。」
「お、おう。ありがとう。」
いやいや。別に友達には奢るのが普通とか、そんな風習無いんだけれども。こいつ、大丈夫かな。社会的に。
店内に入ると、日本にもよくあったインドカレーの店のような、独特なスパイスの香りが鼻を突いた。
さっそくガリーなるものを頼んでみると、思いっきりカレーだった。まあ、そうだろうと思ってたけど。
「はー。旨かったな~。」
まあ、カレーが不味いわけない。
「友達に奢った~♪友達に奢った~♪」
こいつはこいつで、なんか満足しとるらしい。
「おい。エミール。この町にギルド的な何かは無いのか?」
異世界に来たらギルドで能力を測定する。鉄則な気がする。
「あるわよ。ここからある程度は近いから、歩いて行けるわ。」
「そうか。じゃあそこに連れていってくれないか?」
これで俺の凄い能力が判明し、異世界での生活が豊かになるわけか。
「いいけど、でもギルドで何をするの?」
「能力を測ろうかなってさ。」
「でも、能力を測るのってお金がかかるのよ。」
そりゃそうか。金かかるよな~。どうしようか。
「奢ってくれない?」
「喜んで!」
なかなかどうして、この子は危険であった。
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