＞主人公がアラサー・アラフォー男子、または社会人の女子で、読者が思わずクリックしたくなるような、他の作品にはない目立った特徴がある作品を希望します。

＞魅力的なヒーローや好感の持てるヒロインが登場し、読後感の良い物語の作品を希望します。

　募集要項に、その意見は、本当に必要でしたか……？？？？

　もっと突っ込んで申し上げますと、「目立った特徴がある作品」や「魅力的なヒーロー」といった、作品の生み出す魅力について、

・どういった要素が魅力になるのか

・何をどうすれば「目立った特徴になるのか」

　具体的なアドバイスを提示していただくことはできなかったのでしょうか……？

　と、いうのも。

「魅力とは何なのか？」という問いは、ひどく難しいものだからです。

　魅力というのは、必ずしも長所から生まれるものではありません。

　例えば、「他人に優しい」は長所です。

　しかし、今のままでは魅力ではありません。

　それがどうすれば、作品の魅力になるのか。

　例えば、以下のものはどうでしょう？

「コミュ障でぼっちな俺は誰かに優しくすると決まって貧乏くじを引くけど、誰かの笑顔を見られたから満足」

「他人に優しい」という長所を生かすために、色々な要素をかなり盛りました。

　また、決して長所とは言えない「コミュ障」「ぼっち」といった欠点も入っています。

　ですが、これだけの様々な要素を組み合わせることで、初めて「作品の魅力」というものが生まれる可能性が出てくるのではないでしょうか？

　なのに、あの１行でそれらの説明を全て内包させてショートカットしてしまうのは、あまりにも勿体ない！　勿体なさすぎる！！

　なんといってもここはＫＡＤＯＫＡＷＡ。

　魅力的なキャラクターや設定を持つ作品を数多く世の中に送り出してきた会社です。

　そういったバックグラウンドが持つノウハウを生かし、もう少し踏み込んだアドバイスをすることも、新しいエンターテイメントを生み出すための第一歩になるのではないかと思います！

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