15センチの間

どこ吹く風と言わんばかりの言葉の波

耳から耳へと15センチの間を通り過ぎていく

人の話を聞きたいと願うけれど

無関心な私は無神経のまま


怒られる度に次は頑張ろうとするけれど

耳から耳へと15センチの間を通り過ぎていく

大事なことは忘れないようにと願うけれど

無理解な私は無作法のまま


聞いていなかったけど適当に相槌を打った告白

耳から耳へと15センチの間を通り過ぎていく

彼の言葉を覚えていればと願うけれど

無意識な私は無責任のまま


正直者の私は彼に告白を仕返した

耳から耳へと7.5センチの間で言葉が留まる

頭の中のメモ帳は克明に「好き」という言葉を記したけれど

無鉄砲な私は無邪気のまま


無い物ねだりは出来ないけれど

伝えたいことは私の口から溢れてくる

あなたの15センチの間に残るといいな

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