詩集

如何ニモ

遠い星の光

海に沈んでしまった愛しい人の行方を誰も知らない

海を泳ぐ魚とお話もできないし、あの灯台は海の底を照らしてくれないだろう

棺の中はからっぽのまま。本当にあの人は死んでしまったの?

空虚で無機質な死だけが私の悲しみを泳いでいる


あの人は夜空にきらめく星々の一つになったんだと信じることにした

そうでなければ、死んだあの人に祈れないから。死を受け止められないから

夜空に祈るたびに、涙が流星のようにこぼれ落ちていく

冷静の水面に王冠を描いた。ああ、あの人は死んでしまったんだね


生きていくうちにどんどん大切なものを失い、星になっていく

あの夜空に輝く星々は過去の疵痕そのものなのだろう

手を伸ばしても跳ねても掴むことの出来ない、葡萄のような過去

そうか、あの人も私と同じあの星空を見上げていたんだわ


傷つくことで私は前に進む勇気を得た。カサブタもたくさんできた

新しい出会いとともに星の数も増えていく。私だけの銀河が髪をなびく

いつしか私は過去の記憶になるだろうけど、

今のあなたが見上げる遠い星の光でありたい

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