第5話 捨てないといけない気持ち
<花咲澪>
図書室から帰るとすぐにチャイムが鳴ったので人だかりはなくなっていったので安心した。
その日は入学式をして家へと帰った。まぁ、次の日は普通に授業がある。
次の日、1時間目が体育で、係とか決まってないので隠れ鬼をした
「高校生にもなって隠れ鬼とか・・・」
「えー。隠れ鬼とか楽しくない?」
「澪は気楽だなぁ。」
「だって、クラスメートと遊ぶなんで嬉しすぎて。」
「かわいい・・・」
「ん?なんか言った零?」
「んや。何でもない。ところで澪は何だった?」
「んーとねぇ。隠れるの!」
「あぁー。残念。鬼だ俺。」
「ふふふっ。僕を見つけてね。」
そう言って零から離れ、隠れる場所を探した。
(できるだけ日陰で、見つからないところ~。あったあった)
用具がはいっているところの裏にした。
丁度いい日陰で眠っちゃうこともなさそうだった。
先生の笛の音がして、鬼が動いたことが分かった。
こんなところすぐに人が来るだろうと思っていたが、なかなか来なかった。どうして?
ちらっと、校庭を見てみると、零がクラスの女子と一緒に仲良く喋って、一緒に反対方向を探すのを見てしまった。
・・・なんでそれを見て心がもやもやするんだ?
別に僕は零とは幼馴染で、家が隣で、いつも一緒にいて、それが当たり前で、なのになんで心がもやもやして泣きそうなんだろう。
やばい。泣きそう。草に変化して泣いてることを気づかれないようにしないと・・・
「澪。こんなとこにいたのか。」
零が来ちゃった・・・
「もう、来るのが遅いよ。」
「すまん。ほら行くよ。」
「うん。」
「どうした?元気ないけど?」
「なんでもない。平気だよ。」
嘘、零に嘘ついた。
「ほんとにぃー?まぁ、自分自身が言ってるから平気か。」
「ねぇ、零。自分以外の人と仲良くしてるのを見て心がもやもやするんだ。なんでかな?」
「そりゃお前、嫉妬してるからだよ。その人が好きだから、嫉妬するんだよ。まさか、澪好きな人でも出来たかー?」
「違う!たまたま本に書いてあったことを思い出しただけ」
僕は零が好き・・・?恋愛感情で?
でも、僕のこの好きは捨てないと。
零を苦しませる。零には幸せになってほしい。
「零は好きな人いるの?」
「ん?あぁ。いるさ。」
やっぱりこの気持ちは捨てなきゃいけない気持ちだ。
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