林檎の周辺:第2話 ジャミロカイのJK

ジャミロカイ。

古いですけれど。

ジャジーでファンキーでポップな曲を届けてくれた、90年代のグループ。

世界中で3000万枚以上のアルバムを売り上げたといいます。

日本でも売れました。

その曲は最近になってもCMで使われていたり。

リーダーでボーカルのJK(ジェイソン・ケイ)。

彼自身も日本のCMに出演していたりします。

ニットの帽子でクネクネと妙なダンスで。

わたしはJKに、林檎さんと同じにおいを感じます。


はあ?

いったい何が同じ?


その1。

レコード会社が全面的にバックアップ。

才能を見つけた大人たちが、これを逃してなるものかとガッチリとキープ。

あれやこれやとサポートしました。


その2。

自分の構想を崩さない。

JKはけっして他人のプロデュースに甘んじなかったとのこと。

林檎さんは亀田師匠のお世話になって、プロデュースもしてもらった。

けど、結局、自分の好きなように仕上げていた。

彼女のファーストアルバムは、ほぼデモ音源と変わらないくらいだった。


その3。

恐るべき子どもだった。

JKは70年代〜80年代のジャズフュージョン、ファンクを、聴きやすくキャッチーなポップへと見事に昇華させた。

林檎さんも多種多様な音楽をベースに、聴く側を意識した良質なポップを量産。

十代なのに、豊富な経験を積んだかのような老獪な技で。

人類が築き上げてきた音楽のエッセンスを十分に吸収していて、それを自在に操り、独自の個性でまとめ上げていた。

冷静な分析と緻密な仕掛けで。

それは大人たちを驚愕させるに足るものだったと同時に、一般聴衆にアピールする新鮮なものでもあった。


その4。

会社との契約が、バンドとしてではなく、個人としてだった。

ジャミロカイはバンドではなく、JK個人なのであった。

林檎さんは高校生の時にバンドでコンテストに出たけれど、それを見た大人の業界人は彼女にソロで活動することを勧めた。

結果、個人でキャリアをスタートさせた。


その5。

JKは曲の各パートを、けっこう自分で作っている。

林檎さんも、最初から仕上がった状態のイメージが頭にある。

詩も含めて、各パートを自分で全部作ってしまうことが多い。


その6。

JKも林檎さんも、マイナー7th9thやジャジーなコードの使い方が上手い。

これはわたしの好み。

だいたいこれでヤラれてしまう。





はい、以上。

つまり、テンサイ。

(その6は、あんまり関係なし)


けれども、JKも林檎さんも、そんな言葉は拒絶するだろうなと思う。

彼らほど分かっていれば、きっと深く理解もしているのです。

その表現がふさわしい人物は自分たちじゃないことを。

自分も先達たちも、生身は結局、同じ作り。


本物のテンサイとは。

見たことも聴いたことも伝えられたこともないような突拍子もないものを、ゼロから作り出す人間。


なんてね。笑





おそまつでした。


PS:

Jamiroquai “Space Cowboy ‘95”

https://youtu.be/N4szyJVTR0E


動画では、JKがなんか吸ってます。

もしかして、これが曲中で連呼するチーバ(cheeba)なのか⁉︎ とも思いますが。

わたしからすれば、

〜ハイになるのにクスリはいらない、お気に入りの音楽があればいい〜

なのですけれど。

でも、音楽のプロは冷静すぎて、そうはいかないのかもしれません。

まして自分の曲に陶酔するなんて、あり得ないでしょうね。

因果な商売?

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