小論文(風なモノ)を書いてみた。

小暮悠斗

プリキュアが大人からも支持を受けている理由についての考察。

 テレビ朝日系列で放送されている女児向けアニメ、「プリキュアシリーズ」において支持層の多くはターゲットとされている女児である。しかし、大人であってもプリキュアシリーズを支持する者はいる。近年、深夜枠にアニメが参入して深夜枠ならでは手法や表現が可能となった。それらのアニメの視聴者層は高めに設定されていることも多い。そうしたアニメ(自分の世代をターゲットにした)がありながらもプリキュアシリーズを応援する視聴者がいるのも事実である。では、なぜプリキュアシリーズが大人にも受け入れられているのかについて考察していく。

 要因として、女児向けアニメとして制作されているためにパターン化された物語ストーリーに対する安心感があげられるのではないだろうか。物語ストーリーにおいて結末は重要である。大きく分けて二つ、ハッピーエンドとバッドエンドがある。細かく分けるともっと種類はあるのだろうが今回はこの二つを軸に話を進める。ハッピーエンドとバッドエンドのどちらを好むのかについては視聴者が決めることである。暴論ではあるが、好みとは違うから見ない、好みだから見る、という事だけで考えればプリキュアシリーズにおける物語ストーリーの構成はハッピーエンドを好む人々から支持される。加えて、プリキュアシリーズは女児向けアニメであるにも関わらず、善悪とは何か? 幸せとは何なのか? など哲学的な問題提起をしている。そのような点は大人の視聴者にとっても現実世界において重要な問題であり、女児向けアニメを大人の視聴にも耐える内容としている。プリキュアシリーズにおいて一作品に複数のプリキュアが登場するが色による区別がなされている。これは戦隊ヒーローなどにも見られる。幼少期それら戦隊ものを見て育った大人はキャラクターの性格や立ち位置が大まかに理解できるだろう。私の個人的な感覚ではあるものの、戦隊ものとプリキュアシリーズの色による区別は非常に近い。快活、クール、などの性格等は参考にしているのではないだろうか。また、プリキュアシリーズが受け入れられる要因として、同様の(変身系)アニメの存在もあるだろう。魔法少女というジャンルがプリキュアシリーズに与えた影響は大きい。戦闘だけでなく日常におけるキャラクターの在り方(正体の秘匿)などに奔走する姿は魔法少女を始めとする変身ものジャンルの特色である。プリキュアシリーズも同様の特色が見られる。このことが大人の視聴者にとっても昔見ていたアニメの重なる部分があり解釈やキャラクターの視点で見ることを容易にさせているのだろう。

 以上の事を踏まえて、プリキュアシリーズは日本のサブカルチャーであるアニメ・特撮ものの歴史がメイン層以外の大人たちにも支持を得ている要因であると考える。

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