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しばらくの間気持ちよく歌っていたら目の前のほうの草の影でちらちらと視界に入る羽みたいなのが見えた。
虫かなにかいるのかなーって、思いながら熱唱を続けていたらどうやら違うらしい。
神眼を使って見てみると妖精だった。
【】【650:0(3日)】【メイン職業:妖精1】
【妖精】
HP:1
MP:3
力:1
敏捷:2
健康:1
知識:3
知恵:2
威厳:1
運:2
【パッシブスキル:妖精特性】
【アクティブスキル:妖精魔法1、調合2、錬金1】
おー、妖精もいるんだな、かわいいなー、と思いながらも歌を歌う。
さすがに警戒してるらしくこっちをちらちらと見るだけでこちらには寄ってこない。
おっしゃ、おっさん頑張ったるで!と気合をいれて、歌を変える。
大体わかってたのだけど歌には魔力が込められるらしく、歌のリズムやテンポや歌詞によって影響を及ぼすみたいだった。
さっきみたいな元気のある曲なら村人さん達が元気になるんだけど、一回魔王歌ってみたら村人さん達倒れそうになってたからあのときはやばかった。
怖くないよ、こっちにおいでと念じながら歌うのは某アイドルグループの愛してて万歳な曲。この世界の言語じゃねぇし、別にアニソンでもいい曲なのは変わりないだろう。
声に魔力をのせながら歌を紡ぐ、途中で妖精がガッツリこっちを見てきていたのでおいでおいで、と手を振ってみた。
するとすっと隠れてしまったがまたチラチラ見てくるので根気よくおいでおいでとしてみる。
非常にゆっくりとだけどこっちに来てくれるようになった。ここまできたら後一歩だなと、さらに歌に魔力を込める。
小さな羽をパタパタと動かしてこちらにくる姿が可愛い。
さすがに飛んだまま目の前にはこれなかったみたいで手前で下に降りてこちらの様子を窺ってる。歌終わっちまったよ。
ここで逃がすわけにはいかない!と次はベストなフレンドを魔力に込めながら歌う、多少的はずれな曲でも魔力で操作してやればどうにでもなる。
手をそっと妖精の前に差し出しつつ妖精の目を見る、もちろん歌いながら。
恐る恐るその手に近づいていく妖精ちゃん可愛い、じゃなくて手の先と妖精ちゃんの小さな手の先が当たるのが可愛いじゃなく。
しばらくそうしてたら妖精が手の上に乗ってくれた。ちょこんと乗ってくれた。かわいい。
ゆっくりとその手を自分の方に戻しつつ、歌う、よく見たら妖精の口元が動いているので一緒になって歌ってくれるのだろう。かわいい。
歌が終わった。
「初めまして、小さな妖精さん。」
と妖精に声をかけてみる、妖精は少しびくっとしたがこっちの言葉がわからないのか首をかしげている。
妖精語とかあんのかなーって、思ってたら妖精さんが喋りかけてくれた。
「はじめましてです、にんげんさん。」
しゃべれるんかい!と心でツッコミをいれつつ、
「妖精さんはどこからきたの?」
「ここでうまれたです。」
「妖精ってどこでも生まれるの?」
「わからないです。うまれたばっかりなのです。」
「じゃあしょうがないね。歌う?」
「はいです。」
と短いやり取りを交わしてまた歌を歌う。妖精さんは羽をぱたぱた動かして俺の肩にとまりそこで座って一緒に歌ってた。かわいい。
歌いながら魔法を唱える。一瞬妖精がびくっとしたけど俺がにこりと笑いかけると危害がないのを分かってくれたのかまた歌いだす。
水の魔法を出し空に向けて放つ、「ウォーターレイン」と呼ばれる魔法だが殺傷力は皆無にしている。つまりただの雨だ。目の前に広がる雨にびっくりしてのか歌うのをやめた妖精だけどその後すぐに笑顔になっていた。虹が出ていたからだ。もちろん狙ってやってるからね。
人前で魔法使うのは絶対にやめてたけど妖精さんならいいだろう。
「すごいです。にんげんさん。」
「ありがとう、妖精さんは名前ないの?」
「ようせいにはなまえがないのです。」
「そっかー。」
歌い終わると妖精さんが興奮しながら肩でぴょんぴょんしていた。
会話をしてみるとどうやら妖精には名前がないらしい。確かに神眼で見ても名前なかったしね。
「俺の名前は、リードって言うんだ。」
「リードさん。わかりました。」
「妖精さんは名前欲しい?」
「そうかんたんにはいかないのです。」
と自己紹介をしつつ聞いてみるとどうやら使役出来る人間が限られてるらしく、その人間に仕えて初めて名前がもらえるみたいだった。
妖精の本能ってやつでそのへんはわかるらしい。
「んー、多分俺なら使役出来ると思うけど、妖精さんどうする?」
「リードさんはまほうつかいさんじゃないのですか?」
「本業はそっちかもしれん…。むしろ詩人がメインなはず。」
「しじんさんなのですか?」
「自分でももうわかんね、で、どうする?仕えてみる?」
「やれるならやってほしいのです。」
妖精さんから了承を貰った。だけど妖精さんの顔は諦めてるっぽくてちょっと暗い。
おいおい俺をなめんなよ?といいつつ、ステータスを開く
【リード=ニア=アトラス】【645:5】【メイン職業:詩人見習い4 サブ職業:大魔法使い21、村人1、戦士見習い1、剣士見習い1、僧侶見習い1、武道家見習い1、商人見習い1、盗賊見習い1、冒険者見習い1、鍛冶屋見習い1、錬金術師見習い1、魔物使い見習い1、魔石見習い1、召喚士見習い1、狩人見習い1、精霊術師見習い1、迷宮見習い1】
ボーナスポイント:100
HP:98
MP:12330 (11532)
力:140 【1】
敏捷:132
健康:145
知識:357
知恵:302
威厳:10
運:34
【EXスキル:神眼、死神、賢者、職業変更】
【パッシブスキル:限界突破、マッピング、情報整理、言語理解、魔法遮断、魔力追跡】
【アクティブスキル:歌9、楽器1、打撃武器1、採取1、片手剣1、両手剣1、盾1、重装備1、中装備1、軽装備10、業火魔法6、激流魔法6、土流魔法6、暴風魔法6、闇魔法1、聖魔法1、無魔法10、信仰10、格闘10、気功10、算術10、話術10、宝物庫1、投擲武器10、情報操作10、トラベルワープ1、鍛冶1、錬金1、調合1、使役1、飼育1、魔石改良1、魔石増幅1、召喚魔法1、武器防具召喚1、弓術1、罠師10、精霊召喚1、精霊会話1、迷宮作成1、迷宮操作1、魔法偽造10】
経験値4倍、熟練度4倍、超回復、無詠唱
おう、歌と詩人上がってんな。と思いつつボーナスポイントを使役につぎ込む一気に10まで上がるのにボーナスポイントは44も必要だったが関係ない。むしろこういう時のために貯めといたんだろ。それにここで妖精さん逃すとかあってはならない。
【リード=ニア=アトラス】【645:5】【メイン職業:魔物使い見習い1 サブ職業:詩人見習い4、大魔法使い21、村人1、戦士見習い1、剣士見習い1、僧侶見習い1、武道家見習い1、商人見習い1、盗賊見習い1、冒険者見習い1、鍛冶屋見習い1、錬金術師見習い1、魔石見習い1、召喚士見習い1、狩人見習い1、精霊術師見習い1、迷宮見習い1】
ボーナスポイント:56
HP:98
MP:12330 (11532)
力:140 【1】
敏捷:132
健康:145
知識:357
知恵:302
威厳:10
運:34
【EXスキル:神眼、死神、賢者、職業変更】
【パッシブスキル:限界突破、マッピング、情報整理、言語理解、魔法遮断、魔力追跡】
【アクティブスキル:歌9、楽器1、打撃武器1、採取1、片手剣1、両手剣1、盾1、重装備1、中装備1、軽装備10、業火魔法6、激流魔法6、土流魔法6、暴風魔法6、闇魔法1、聖魔法1、無魔法10、信仰10、格闘10、気功10、算術10、話術10、宝物庫1、投擲武器10、情報操作10、トラベルワープ1、鍛冶1、錬金1、調合1、使役10、飼育1、魔石改良1、魔石増幅1、召喚魔法1、武器防具召喚1、弓術1、罠師10、精霊召喚1、精霊会話1、迷宮作成1、迷宮操作1、魔法偽造10】
経験値4倍、熟練度4倍、超回復、無詠唱
職業も変えて準備万端。魔物なのかちょっと怪しいけど使役のスキルはこの職業のやつだしな。これだろう。
「じゃあ、いくぞ。」
「おねがいするです。」
「どうすればいいんだ?」
「じゅもんをとなえるです。(古き盟友よ、我に力を貸したまえ、使役)です。」
さらに表情が暗くなりつつも教えてくれる妖精さん。まぁやり方知らないのに使役出来るとか信じられないよな。
「古き盟友よ、我に力を貸したまえ、使役」
魔力を込めてそう呟く、本当は別に詠唱いらないけどそれはほら、気分ってやつで。
妖精さんがびっくりしたような顔する。その瞬間に妖精さんが光りだした。
【習得:念喋 説明:思った相手と離れていても会話することが出来る。】
いやちょっと空気よめ、今いらん。
光がおさまると、
「すごいです!完璧でした!妖精は使役が難しいと聞いていたのでどうせ無理だと思っていたのです!」
すごくぴょんぴょんしながら妖精さんは輝いた笑顔を見せる。
「それはよかった。でもいいのかい?俺が使役しちゃって?」
「もったいないくらいです!力があふれてきます!マスターに仕えられてよかったです!」
テンションがかなり高い、それにさっきまでのカタコトじゃなくなってる。あれ結構可愛かったのに残念。
「力が溢れてくる?」
「はい!マスター!使役されたものの能力は使役した人の実力によって変化するのです!」
ほーっとか思いつつ、妖精さんに神眼。
【】【650:0(3日)】【メイン職業:妖精1】
【大妖精】
HP:49
MP:6165
力:69
敏捷:66
健康:73
知識:178
知恵:151
威厳:5
運:17
【パッシブスキル:限界突破、妖精特性】
【アクティブスキル:妖精魔法1、歌1、調合2、錬金1】
いやいや、おかしいおかしい、さっき生まれたばっかの俺より弱かったじゃん。
今じゃそこらへんの村人が妖精さんの体当たりで死んでしまうぞ。
俺の能力の半分ってとこか、そうなってくるとまぁ規格外だよな、種族変わってるもん大妖精に。
「おかしいくらいに強いな。」
「マスターのおかげです。」
「喜んでもらえればよかったよ、これからよろしくな。シェリー」
「…?」
「お前の名前だよ、シェリー。遠い国の歌姫から取ったんだけど嫌か?」
「!!!…嫌なわけないです。とても嬉しいです。」
詩人のスキル追加されてるみたいだし、私の歌を聴け的な人から名前とってきてつけたけど気に入ってもらってよかったわ。
シェリーは嬉しそうにギュッと体を腕で抱きかかえた。かわいい。
「改めてよろしくな、シェリー。」
「よろしくお願いします、マスター!」
ちょこんとしたシェリーの手を指でそっと摘まみ上げる。
嬉しそうな顔をしたシェリーはすごく可愛い。
勢いでここまでやっちゃったけど家に帰ってこれどう説明するんだ?ちょっと厳しいかもしれん。
早まったかなーとか思いつつ、シェリーを肩に乗せて家への帰り道を二人で歌いながら帰った。
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