## 第3話 さらなる問題

「ギョエーッ!」という声とともに問題が生まれた。

実際に発声されたかは分からぬが、端末からはそのような奇声が聞こえてくるようだった。


まず精鋭n名の人的資源がいた。これらの人間には「あなジャバ現象」を再現してもらうことになっていた。


つまりタイムラインにて、


 「あなたとジャバ、今すぐダウンロー

 ド」


などと投稿してもらう予定である。しかも継続的に。



ここまでは、素晴らしい計画に見えた。


ところが、いざ集まった人的資源らは、ろくにジャバ知らないもの達であった。


テスト端末を渡したが最後、「めしにしましょう」などと日常の食事を投稿する者[6]。タイムラインには目もくれず、ひがな外でインスタする者。[7]

インターネットからひどい記事を集めては、猫が飼い主の元に獲物をくわえてくるかのごときシェアをする者。[8]


中には業務の時間帯にかからず、ゲームの実況中継を始める者まで現れる始末である。[9]


方針転換がなされた。


本プロジェクトは自宅勤務でよいはずであり、当初はそのような形態であった。……無理ということになった。


対策として、社屋を用意、投稿可能な端末をオフィスに並べ、仕方なく出社のために定時を設定した。


完璧な計画である。

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