## 第2話 議論と発足

インターネットでは、前述の「あなジャバ現象」を再現すべく議論がされていた。


議題は、いかにしてユーザーの気力に依存せず、「あなたとジャバ、今すぐダウンロー

ド」投稿をするかという問題である。しかも継続的に。


夜通しの会議の中、「ジャバ組」[5] の一人からある提案がされた。



  「一人月では折れてしまうプロジェクトも、100人月あれば折れない」



つづいて提案書が掲示された。


提案書はソフトウェア許諾書のような長さだった。画面には一部しか入らない。画面端にあるスクロールバーの「つまみ」はペシャンコになったダイアログ・ボックスのようだった。


会議の参加者らは、端末の前でだまってうなずいた。

意識が朦朧としていた人間たちは、ただインターネット・ゾンビのように端末の「Accept(許諾)」ボタンを押下するしかなかった。


ちょうど台風が近づき、某所からミサイルが発射される前の晩であった。



   ☕ ☕ ☕



しばらくののち、0.5人月のエンジニアが200人ほど集められた。


最初にプロジェクトに参画する人的資源が選ばれる計画だ。


集められたエンジニア200人はすり鉢状の空間に放り込まれた。

そして、生き残った数名が、精鋭n名の人的資源として、タイムラインへと派遣されることになるのだ。

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