3日目 ビート

 俺の音が響いてる


 ギター片手に街に出る


 駅前で歌う、鳴らす


 それでも俺の音が鳴り止まない


 俺はその音が嫌いだ


 だけど俺の音だから


 俺から離れてはくれない


 俺の音をかき消すように俺は


 ギターを鳴らして歌を歌う


 この俺の音が外に漏れないように


 いっそのことこの音を止めたら


 俺は楽になれるのだろうか


 俺の音が響いてる


 耳の中に手のひらに頭の奥に


 足の裏に背中の隅に腹の上に


 胸のど真ん中で、いや少し左で


 俺の音がうるさい


 俺は今日もその音を響かせながら


 駅前で歌っている

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