エピローグ

エピローグ

「うぃ~っぷ……夏はやっぱりビールっすなぁ~」


 ゴクゴクと喉越し良さそうに、居酒屋でビールを飲む万治。


「んだな~」


 テーブルを挟み同じ様に対面で、ビールを飲むアヤメ。


「あいや、今日は良いフィギュアが手に入ったよ」


 涼○ハ○ヒの憂鬱と言うラノベ作品の登場キャラクター鶴屋のver.競泳水着にメンズYシャツ被せが手に入って御満悦の万治は、気分上々に更に酒を飲んで焼き鳥を頬張っている。


「アンタさ、そのアニメのキャラ好きよな」


 過熱式のタバコをふかし、呆れたようにアヤメは言った。

 その時、ふと何かを思いだしたに小さく、「あっ」と呟けば万治に手招きをしちょっと話を聞くようにアヤメは促した。


「そえばさ、三ヶ月前のあの事件。結局、ストーカー野郎は退学になったらしいわよ?」


「三ヶ月前?」


「ほら、ふんどしのフィギュアのヤツ」


「あぁ~、そうなんだな」


「にしても、ウチが持ち掛けといて何だけど、あの事件よく即行解決したわね」


「まぁ自白だからな」


「どっから犯人って気づいてたのよ?」


「ん? あぁ~、気づいたのはいつだったかな。とりあえず、確信に変わったのが川下さんがおかしいって言った時に確信に変わったな」


「え? 確かアンタ、電車を利用したからって言って無かったっけ?」


「んまぁな。んでも、そんなのたまたま駅で見ちゃった~とか、何とでも言えるだろ」


「いや、そうだけど……」


「だから、あの時は出来るだけ、追い込んむだけ追い込んで、放置しようと思ったら自白しただけだだな」


「えぇぇ……」


「別に俺は名探偵じゃないしな。推理なんて出来るわけないだろ。あ、サーセーン、生お代り!」


「あ、スンマセーン、ウチにもお願いしまーっす。で、やっちゃった訳か、詐欺」


「人聞きが悪いな。善行と言いたまえ」


「まぁ良い詐欺であったけど。何だっけ? その詐欺のテクニックって」


「だから、前々から言ってるだろう、詐欺のテクニックじゃねーって」


 へいおまち! と威勢よくビールが運ばれてきて、二人同時に店員へ会釈すると、万治はクゥ~と唸りキンキンに冷えたビールを飲んだ。

 アヤメもビールを飲もうとジョッキの持ち手に指を掛けたと同時に、何かを思いだし言った。


「あぁ~、そうだ、思いだしたわ。コールドリーディングってんだっけ?」


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