第129話 2巡目…68

 孤児院で暮らす、足の不自由な少女。

 幼い頃、交通事故で両親と足の自由を失った。

 勝気な性格は、ある意味彼女を救い、別の意味では彼女を苦しめた。

 孤児院に預けられ、ボロボロの車いすで暮らす少女。


 貧しい孤児院では、孤児が幼い孤児の面倒を看なければならない。

 少女は年長者となっても世話をされる側だった。


 ある日、孤児院は都市の再開発に巻き込まれることになる。

 ARK財団という世界屈指の財団法人が、この地に病院を建てるという。


 孤児院は無くなった。

 孤児は全て財団が引き受け、病院内の敷地で恵まれた援助を受けられる様になった。

 少女の足は、幾度かの手術で歩けるように回復し、少女は成人して、その孤児の運営を任されるようになった。

 ARK財団の職員として。


 病院と隣接している孤児院は、何人もの孤児を受け入れ、恵まれた環境で教育を受けられた、施設からは幾人もの優秀な人間を世に送り出し、また彼らは孤児院に恩返しをする。


 奇跡の循環を維持している。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る