第127話 参従 さんじゅう

 彩矢子は、ARK日本支部の統括となった。

 サクラは秘書兼、倉庫の管理を任されている。


 死を覚悟していた2人だが、ARKはYAMAを管理する気でいた。

 そのための対策を練らせることにしたのだ。

 そしてマザーの再開発…これには彩矢子の人格を移植する予定だ。

 結果、マザーに組み込まれているオーパーツの模造品の研究が必要とされた。

 マザー2号機の開発には亜紀人が加わることになっている。


 ナミは亜紀人のお世話係としてARK日本支部で働いている。

「洗濯機…難しいよね」

「放り込んでボタン押すだけでしょ!!」

「メイド長…嫌い…」

「メイド長ではありません」

「オバサンのメイド喫茶とか詐欺くさいよね」


 そして時は流れていく…。


 宇宙の終焉とはじまりを見届ける亜紀人とナミ。


「暗いね…ココが特異点?」

「そうだね…意識だけになって到達できる、唯一の『無』が在るポイント。

「無が在るって変だね」

「うん、0は存在しているけど何も無いことを示すという矛盾を表している」


「始めるの?」

「あぁ…始めよう2巡目を…この宇宙の2巡目を…」

「どんな世界を造るの?」

「なにも…なにもしない…」

「みんなに逢えるの?」

「逢える」

「うん」

「サクラも彩矢子も…みんないる」

「サクラとハナコ…サンドイッチくんも?」

「みんないる」

「うん♪」

「少しだけ関係を変えて…みんなとまた逢える…それはほんの一時先で…瞬きより短い時間だけど…僕のすべてがその時間に在る」


「2巡目だ…」


 神の子と呼ばれた男が海を眺めている。

「東の果てに行こう…そこに探しているヒトがいるのです」

「東方の国…ジパングですか?」

「そうです」

「在るのですか?黄金郷など」

「さぁ…行けばわかるでしょう」


 キリストと呼ばれた男は、YAMAという男に出会い、東の果ての島国を目指した。


                     『殺しの調べ』 終章 完

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