第101話 志 し
「そうかもな」
亜紀人が頷く
「僕もその好奇心から産まれたわけだし」
『ほぅ、そうか、お前も造られた者か、何者かの複製品だな』
「キリストらしいよ、データにあるだろ?」
『あぁ、ある…神の子か、ふむ、我の見解を聞きたいか?』
「ぜひ」
『ふむ…天上人の好奇心が産んだ、ヒトの模倣品だ』
「模倣?」
『観察したのだ、神の奇跡は天上人の恩恵によるものだろう、死んで蘇生など在りえない…クローンならば入れ替えがきくからな、お前は、きっと我を複製した天上人とは違う種が産んだヒトの模倣品から造られた生命体、だが…特異点と位置付けたのは正しいな疾患を持たないままで自然発生はしないはずだ、我のように、このような肉を捨てなければ先天性の疾患を残すはず…コピーとは劣化だ、繰り返せば滲み、ぼやけていく…お前は、コピーではない。本物を超えた模造品とでも言うべきか…』
「なぜ、俺達をすぐに殺さない?」
『私にもあるんだろ…好奇心が、肉体を持たないからか、もはや死への恐れも無い』
「俺達が勝てば、また無に帰るんだぞ、それは死ではないのか?」
『死など肉体が朽ちるに過ぎない…オマエも一度死ねば解るさ』
「そうか、今はゴメンだ、全力でお前を破壊する」
『そうしてくれ…ルールは守ると約束しよう』
「別れるぞ」
亜紀人が3人と目で話す。
「ナミは?」
「ん?」
「ナミはどうしてればいいの?ユキヤ?」
「ナミは…ここにいろ」
「え~なんか不安だよ~」
『我が話相手になろう』
「え~、偉そうで嫌いだな~、難しい話ばっかしそうでさ~つまらなそうだよ…」
『キミの話に合わせよう』
「ホント~、でも悪いヒトなんでしょ?」
『そうだな…良い人ではない』
「エンマ様なんでしょ?」
『閻魔か…そう伝わっているようだな』
「ここは大丈夫だ…行こう」
亜紀人達は部屋を出て行った。
「気づけば誰も居なくなってるよね…酷いよね…」
ナミが気づけば誰も居なくなっていた。
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