第96話 吾家竜文 わがいえのりゅうもん
「本気で出来るとでも?」
「出来るわね…おそらく」
「言い切れるのか」
「アナタがいるから」
「僕がなんだというんだ?」
「あなたの父親は、キリスト…そのミイラから採取した精子を受精させた神の子があなたよ亜紀人」
「それがなんの関係がある?古代のハスの花が咲いたのと変わらないレベルだろ?」
「違うわ…奇跡の確率を引き上げる、いえ、奇跡を呼び込む特異点が神の子なのよ」
「この場にキミがいることが、この実験を確実のものとするんだよ
「じゃあ僕が消えれば、バカげた妄想で終わるわけか」
「そうさせないためのナミさんでしょ」
彩矢子の後ろからナミが顔を出す。
「ユキヤー、怖いよー、なんか嫌だよー」
「彩矢子ー!!」
「色々考えたの、あなたのことも、でも、
「その女を連れて行くといい、新世界のアダムとイブになれるはずだ
「その世界の神は…そこのバカでかいコンピューターで産まれるデジタルゴッドか」
「不滅が訪れない完璧な生命体だ」
「ナミ…こっちにおいで、僕の傍に」
「うん…」
ナミが亜紀人にしがみつく。
「マリアにするつもりが…イブになったわ」
「彩矢子さま…」
「何も言わないで…」
サクラの手を握る彩矢子。
「ありがとう、亜紀人に仕えてくれて…」
「時間だ、解析から始めるぞ」
マザーの駆動音がモニターを振動させて画面にノイズが走る。
「3時間ほどで解析は終わる」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます