第88話 山雀利根 やまがらりこん

 船から降りて、ディズニーワールドリゾート内のホテルに泊まる。

 まどからシンデレラ城が見える部屋。

「うわぁ~明日あそこに行くんだねー、楽しみだねー、なんか東京ディズニーランドのパクリーランドみたいだけど」

「東京がココをモチーフにしてるんだよ」

「そうなの?本場ってこと?ハリウッドみたい」

「?」

 なにを言いたいか解らないが、まぁ喜んでいるみたいだ。

「夕食はサッパリしたものがいいね、うどんとか蕎麦とかさ」

「あるかな?あるか和食レストランくらい」

「アメリカ来て、和食ってのもいいよね、本場のアタシが審査してあげるの」

「蕎麦の?」

「アタシ蕎麦にはウルサイよ」

「じゃあ、アメリカの蕎麦を食べに行くかい」


 サクラと3人で日本食の店に行く、個室を予約して、ナミの食べたいものを頼む。

「なんか、英語解んないよー、想像ができないよー」

「いいじゃないか、適当に頼んで、知らないものを食べる、それも旅行の楽しみだよ」

「そう?SOBAって書いてあるよ、蕎麦だよね」

「サクラ…読める?」

「読めますけど、寿司はどんなものが出て来るか想像はできません、おそらくナミさんのイメージとは違うものがでてくるかと…」

「えー、困る…アタシ食べれないの出てきたら困る…」

「いいよ、頼みなよナミ、勘でさ」

「う~ん、何が出てきてもユキヤとサクラが食べるんだよ、残しちゃダメだよ」


 ナミがなにやら聞きながらメニューを指さして頼んでいる。

 100%日本語で…

「…いい?解った?大丈夫?デザートも一緒に持ってくるんだよ、大丈夫?」

(デザート以外、全部、日本語だ…)


「そういえば亜紀人さま…いえユキヤさんは英語も話せますよね?」

 サクラが僕に聞いてきた。

「あぁ…でも習ったわけじゃ無いから、スラング混じりの汚い英語かもね」


 少し、昔を思い出してしまった…。

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