第85話 夢幻泡沫 むげんほうまつ
「それで満足ですか?
部屋の隅からアオイが現れた。
「あぁ…コイツは昔から嫌いだったんだ…最後に、この手で殺れてよかった」
「本当に?」
「ウソは言わない、この期に及んでな…」
「そうですか」
「感謝してる、だから気に病むな、アオイ」
「俺が
「その薬は…」
「知っている、死と引き変えの力なんだろう、いいんだ…俺はもう代謝の限界を超えている、緩やかな死を待つだけの身体だった…だからいい、最後に感情に従って行動することの快感を感じているよ」
無言で頭を下げて、部屋を出るアオイ。
「アオイ」
扉を閉めようとしたアオイを
「最後に、コイツと一緒に処理してくれ…頼む…あの世でもコイツを抑えておけるのは俺だけだ」
ニコッと笑う
「はい、承知しました」
「ありがとう…コレを飲めば楽に逝けるんだろ?」
頷くアオイ。
「後処理ばかりで迷惑かけるな…スマン」
アオイは
4時間後、
チャーター機は、羽田からアメリカへ向かっていた。
「本場のハンバーガー食べに行こうよー」
ナミのこの一言で行先は決まった。
奇しくも、アメリカでは…
「
自室に自作のコンピューターを持ち込み、普段1歩も外には出ない
「日本にある
白人の細身の男…歳の割に言葉遣いは幼く、常に爪を噛んでいる。
空ですれ違った
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