第78話 白頭如新 はくとうじょしん

「まだ喋れるなんて…驚くよNo5フィフス…」

「何をした?」

「ん?アオイが打った高のは高タンパク剤じゃないってことだ…それだけだ」

「貴様!!」

 机に手を付いて、No9ナインに掴みかかろうとするが、身体が動かない。

 脂汗が机にポタリ…ポタリと落ちる。

「覚えていろ…」

 たどたどしい口調でNo9ナインを睨みながら気を失うNo5フィフス

「ふぅ~、焦ったぜ…さすがナンバーズの随一の治癒力だ…ここまで効かないとはね…100gでクジラも2秒で麻痺させる毒だぜ…しかも気絶で済むとはね」

「アナタ…死んでもいいと思って打ったの?」

「俺は打っちゃいない、打ったのはオマエのアオイだ」

「アオイは知っていたの?」

「知るわけないだろ…アオイは彩矢子…オマエの子飼いだ、すり替えただけだ。ベッドで口を滑らされても困るんでね」

No9ナイン…」

「だから遅れた…あぁ、今更だが、遅れてスマナイ、ちょっと用事があったんだね、アハハッハハハハ」

(サイコパス…)

 彩矢子は口に出しはしなかったが、悪意の無い惡を、No9ナインから感じていた。

「アオイには言わないでほしいわね…あの子、こういうためにいるんじゃないのよ」

「了解した…ベッドの相手をするために、いるんだもんな彩矢子、オマエの」

 キッとNo9ナインを睨む。

「ハハハ…まぁ、話はそういうことだ、研究材料を提供しよう、その代わりに、No42フォウツゥのベクトルを変えてくれ、オマエの仕事は絶対神の創造だと言い聞かせてくれ」

No5フィフスの件は了承済みというわけね…」

「もちろんだ、いくら俺でも勝手にナンバーズは使えないよ」

「それと…俺のことをNo9ナインと呼ぶのは今日までだ」

「えっ?」

「俺は明日から、乃木のぎ 吾喜男あきおを名乗ることになった。以後よろしく」

「アナタがNOAを…」

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