第75話 盗人上戸 ぬすびとじょうご
時間に少し遅れて、
「おはよう彩矢子…久しぶりだ
「今日も遅刻か
「ん?怒ってるのか
「当たり前だ!! 昨夜は待ちぼうけだしな!!」
「そりゃ悪かった、いや黒人は顔色が解らなくてね…怒っても赤くならないからさ、表情が読みにくいんだスマン、スマン」
「貴様!!」
椅子から立ち上がる
手足が長くスタイルはもちろん、顔もモデルのように整っている。
「止めなさい
無言で椅子に掛け直す
「さて、
「あぁ、解っている」
「
「もちろんだ、我々ナンバーズ唯一無二の完全体、
「笑わせるな、お前は引き継いだかすら怪しいんじゃないか」
「引き継いではいるさ、ただあまりに血統が薄いってだけでね」
「外見と違って、中身は普通すぎるほど普通なんだもんな」
バカにしたように笑う
「そうだな、俺は高タンパクを数時間単位で打ち続けなければ歩くこともままならないなんて疾患は発症していないからな」
「おかげで、治癒力は抜群なのよね~
「
「貴様!!」
「事実だ、商品化間近だよ、ありがとう
「話を進めて頂戴、
イラついた彩矢子が机をバンッと叩いた。
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