第48話 Vex Validation イラだちの理由
「本気?…あぁ…そうだな、本気で対応しようか」
「そうしてくれよ…張り合いが無い」
ニタリと笑う
(本気か…)
僕は両手を胸の前までスッと上げ、つま先立で構える。
「カウンター狙いか…ナメるなよ!!」
実際、速度も力も、そして体術も僕は
辛うじて、躱すことならば、なんとか凌ぎきれるだけ。
そして…人には固有のリズムがある。
呼吸のタイミング、本能的に好む型があり…同時に避ける型もある。
「クセでも見極めるつもりか?無駄なことだよ、その前に殺す!!」
明らかに攻撃のパターンが変わった。
1撃、1撃が急所を正確に狙ってくる。
(そう…それでいい…)
僕は、躱しながら、あるいは受け流しながら、その時を待っていた。
訓練されたボクサーでも3分間撃ちあうなど無謀なこと…心肺機能を強化したって、呼吸を止めて撃ち続けることなど出来はしない。
必ず、深く呼吸を吸い込むときには、動きが止まる。
息を止める時間が長いということは、吸い込む量も多い、
細かな緩急こそ付けているが、基本的な動きは変わらない。
僕は、彼の攻撃を躱す時に息を吐いて、受け流す時に吸い込む。
彼が息を止めてるときに吸い、吸っているときに撃つ。
「そろそろ…終わりにしようか
「終わりに?オマエがだろ?」
稼働限界。
動けば動くほど…老化が早まる。
僕が資料から推測した結果だ。
「こうして避けているだけで…オマエは勝手に自滅する…違うか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます