第47話 Unfairly Underestimate 不当な過小評価

 No23ツゥスリーはトレーニングルームの中央で立っていた。

 白いカンフー胴着を着て静かに天井を見つめていた。

「待たせたか」

「いや…俺に時間など無意味だNo42フォウツゥ

「未だに僕をナンバーで呼ぶのはオマエだけだな…」

「オマエと俺の何が違う!!」

 No23ツゥスリーがヒュッと僕との距離を詰めてきた。

 そのまま、僕の目の前に抜き手を突き出す。

 耳を掠めるNo23ツゥスリーの右手。

 冷えた耳がヒリッと震える。

(初手から目を潰しにくる…)

 顔の脇を掠めたNo23ツゥスリーの右手が後頭部を押さえる体重をかけて僕の頭を下げさせて顔面めがけて右の膝が跳ね上がる。

 左手で膝を止める。

(間髪入れずに…躊躇いも無く、よくも…)

 膝を顔に押し付けたまま右肘が後頭部に落とされる。

 顔を挟まれたまま、左手が僕の横顔を殴りつける。

(強い…)


 足を掛けられ転がされた、腹に蹴りが入る。

『く』の字に曲がった僕の身体、蹴り上げられた右足が止まらずに顔面を踏み抜きに落とされる。

 間髪で避けた、目の前でダンッという大きな音が響き、キュッと向きを変えた右足No23ツゥスリーの左膝が再び顔に落とされる。

 足を振り回しつつかわして、反動で立ち上がる。

(恐ろしいな…本当に…)


 少し距離を取って、ダメージの回復を図る。

 スクッと立ち上がったNo23ツゥスリー

「どうした?完全体なんだろオマエは、不完全な俺に殺される程度なのか…そんなもんなのか…そんな程度のオマエのために俺は!!」

 タンッと床を蹴って、No23ツゥスリーの右足が跳ね上がる。

 みぞおちを正確に狙って突き出された蹴りを胸の前で腕を交差させて防ぐ。

 よろける僕の頭を掴んで、右足で僕の腕を踏み台にNo23ツゥスリーの身体が宙を舞い、再び頭上から右足で蹴りが顔面を狙う。

 鼻を掠めて、着地したNo23ツゥスリーに右足で蹴りを入れる。

 後方にのけぞって、かわすNo23ツゥスリー


「ようやく本気かNo42フォウツゥ

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