第35話 Ignorance Inclination 無知ゆえに
明日は休暇、早めに研究室から自室へ戻った。
実際に手を動かして何かするということもなく、基本的にサクラに指示して結果を待っていればいい。
手始めに自分のDNAと
解析には日数が必要だ、結果が出る頃まで休暇と仮説を検証することにしている。
仮説なんて本当は何の意味も無い、妄想と変わらないレベルだ。
そして、その妄想に固執したとき結果を曲解してしまうことすらあり得る。
真実が自分の思考の許容範囲内とは限らないのだから。
僕は…何も知らない。
自分の事すら知らなかった…知りたいとも思わなかった。
今は…知りたいと思う。
それは、好奇心ではないと思う、もちろん仕事でもない。
きっと、僕はヒトを知りたがっている。
『ナミ』を知りたがっている。
僕にとってヒトとは『ナミ』のこと。
自分が普通という部類から外れているのは解った、その理由も含めて。
その自分から見て、ヒトとはそれだけで自身と異なる存在
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