第18話 Reversal day by day 何の意味もない
「逃げれないわよ…というか逃がさないわよ…アナタが自分で思っている以上にアナタの価値は高いの」
「どうでもいいね、ホテルの清掃員に拘るなよ、立派な研究者なんだろ?」
「違うわね、今は…でもアナタがいればそうなれるかもね世界を変えるナニカを産み出せるかもしれないわね、そのためのデザイナーズベイビーなんだから」
「ロクでもない使い道しか想像できないね」
「使い方しだいよ…使う者しだいと言った方が正しいわね」
「嫌いなんだよ、そういう考え方がさ!!」
僕は彼女を取り押さえるつもりだった、彼女を人質にココを出ればいいと考えていた。
「でしょうね…だけど、アタシを人質にって考え方が見当はずれなのよ」
「自分に価値が無いと?」
「ん~どうかしら…代わりがいないわけじゃないと思うけど…無価値ってほどでもない…キミほど貴重じゃないってことよ」
「僕をココから出せ…乱暴はしたくない」
「う~ん、そうね~聞かせて?」
「なんだ?」
「なんでココじゃダメなの?」
「好きなラーメン屋がここら辺には無いからだ」
「アハハハ…1週間ほど、いなさいな、それで気に入らなければ出て行っていいわ」
「ラーメン屋が無いと言っただろ」
「フフフ…食べたことあるの?」
僕は、警戒を解いた…。
「コレを読んで…感想を聞かせて頂戴、1週間後でいいわ…必要なものは揃えるから、辞書でも専門書でも…お気に入りのラーメン屋でもね」
僕は、彼女の手から薄い電話帳ほどのレポートの束を取って、部屋に戻った。
(一週間の無断欠勤か…たぶんクビだな…)
部屋に戻る途中、そんなことを考えていた。
それと…彼女のことを。
(逢いたいな…)
ふと、そんなことを思った。
そしてすぐに、その考えを打ち消した。
(まさかな…僕が…そんな風に?間違いだ…きっと)
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