第17話 Quest quarrel 不一致

 なるほど…色々と解ってきた。

「では…僕もおばさんと呼んでいいのか?」

「フフフ、認めるのね…いいわよ、ついでに姉の話もしてあげる、どうしてアナタが戦場にいたのかも解るわ」

 叔母の話によると…。


 彼女の姉は、研究者であり自らの意思で自分の子宮に僕を定着させた。

 子宮内で遺伝子を弄り回したというなのだろう、自分自身で…。

 その後、産まれた僕を研究所から連れ去った。

 目的は不明。

「もしかしたら…姉さんは母性に目覚めたのかもね」

 乗り込んだ飛行機はハイジャックに遭い、それを知らない反米組織の標的になり撃墜された。

 僕だけが生き残り、僕は反米組織の戦闘員として育ち、戦場へ送られていた。

 ゲリラ、日系の少年兵、僕は保護されることになった。

 引け受け先は日本のある施設。

 どうやら僕の素性は知っていたようだ。

「アタシがいる組織じゃないのよ…死んだと思っていたの、でもね、その組織が引き取った子供というのが気になって調べたら、アナタの可能性を示唆するって言うじゃないの、どうやって取り戻そうかと考えてるうちにアナタは脱走してしまった」

「それで今まで探してたってことか?」

「まぁ日本にいるなら、ロクな仕事はしていないと思った…あんな仕事してるとは思わなかったけどね、しばらくは様子を見ていたのよ…確証も無かったし」

「それで…しばらくは泳がされたのか?」

「アナタの戸籍…というか身元不明の死体から絞り込んだのよ、手間は掛かるけど的は狭いし、人手も掛からない、なんにせ普通の人間じゃアナタを抑え込めないんだから」

「大体解ったよ…僕が知りたかったのはソレだけだ、自分が何者かだけだ、できれば関わらないでくれないか」

「アハハハ…そういうわけにもいかないでしょ」

「だろうね…」

 僕は久しぶりに戦闘モードになっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る