第15話 Order made 受注生産
目を覚まし、シャワーを浴びた。
洗面台で身支度を整え、固形の栄養食を食べる。
いつもと変わらぬ朝。
昨夜と違うのは目覚める場所だけ。
こういう場所だからこそ安心できる…だから僕は普通じゃないんだ。
監禁、というより軟禁されているからこそ安全が保障されている、僕にはそれが良く解る。
ご丁寧に、着替えまで用意されている。
上等のスーツ…どういうことか、僕のことは、昨日今日知ったわけではないということ…それを暗に解らせるためのオーダースーツ。
本当にいつから知られていたのだろうか…そんな感じはしなかったのだが…僕がそれだけ平和ボケしたのだろうか、あの老紳士に手玉に取られたのもそういうことなのだろうか…。
部屋を出ると、すでに通路に若い女性の世話役が待っていた。
「おはようございます、本日から身の回りのお世話を言い使っております。サクラとお呼びください」
「あぁ…よろしく、しばらくは世話になるよ」
「はい、早速ですが、ユキヤ様が起きられましたら、案内するように言い渡されておりますので」
「解った」
彼女に案内され、昨日とはまた違う部屋に通された。
「おはようユキヤ…と呼んでいいかしら?」
「好きにすればいい」
「そう、ユキヤに見せたいものがあるの…アナタは下がっていいわサクラ」
そう言われたサクラが、お辞儀して部屋を出て行った。
部屋が暗くなり、なんらかの資料映像が流された。
「これは?」
「遺伝子組み換えで産まれた子供達、デザイナーズベイビーよ…懐かしくない?」
「僕も、ということか?」
「さすが察しが早いわね、そうNo42…この赤ん坊の群れのなかにアナタもいたのよ、数日間だけ…」
「どういうことだ?」
「連れ出されたの…私の姉にね」
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