第14話 おはようから、ホニャララ、おやすみまで。
「テン……」
掠れた低い声が聞こえ、うつらうつらとしていた意識が浮上した。
目を開ければ、闇に馴れた視界で、彼が私を見ているのがわかる。
「ヒトセさん……っ」
思わず彼にまわした腕に力がこもり、耐えきれず涙が零れた。
「ヒトセさんっ、ヒトセさんっ……よ、よかったぁっ」
私の背にまわった太い腕が、私を強く抱きしめる。
意識があることを確かめるように、すこしだけ身を離して、彼の頬に触れた。
「おはよ、ヒトセさん」
一瞬きょとんとした彼が、微笑みを浮かべる。
「寝坊したようだな、もう夜か」
「そうだよ、大寝坊だよ、だって、二日も、寝ていたんだもの……っ」
覆い被さるように、彼を抱きしめ首筋に顔を埋める私の頭を、彼が宥めるように撫でた。
「二日か……」
「私をかばって大けがしたの、覚えてる?」
恐る恐る尋ねた私に、頷きが返る。
「うっすらと、だけ。――君を守れて、本当によかった」
満足そうな声に、胸がぎゅうっと熱くなる。
「なぁ、テン」
呼びかけられて、身動ぎする私を、背中に回った彼の手が強く抱きしめた。
「俺も、愛してる」
!!!!!
「夢うつつで、君が俺の世話をしてくれているのは感じていた。さっき君がくれた告白は、はっきりと覚えてる。だから、もう、遠慮はしない」
私がのしかかるようにしていた体は、一息で態勢を入れ替えられた。
見下ろす彼の視線が、熱い。
「俺が勝手にこの腕輪を付けてから、俺は君の意思を無視していたことに気づいた。向こうの世界に、想う相手が居たのかも知れないという、可能性を失念していたんだ……。だけど、君も、俺を好きだと言ってくれるなら。俺はもう手加減はしない」
彼の手が私の手首にある腕輪を撫で、眼を細くする。
「テンは俺の嫁なんだから」
「ヒトセさ――」
言いかけた口を、彼の唇に塞がれた。
私が初心者であることは、ユニコーンの件で知っているはずの彼だったが、一切躊躇せずに、私を暴いていった。
「ねぇ……っ! 二日も寝込んでたのに、なんで、こんなに、元気なのよっ!?」
裸に剥かれ、全身を弄られながら尋ねれば、「テンが食事を与えてくれていたからだろ」との答えに「そういえば、滋養強壮の食材をこれでもかと入れたけど……まさか、あれで……?」絶句した私に彼はちいさく笑う。
「凄く、調子がいい。まるで、十代の頃みたいに――痛いほど
なにが漲っているのかを私にわからせるように、彼は自分の股間を私の太股にすり寄せた。
「……っつ!」
初心者に、なにを擦りつけてるの!?
それともなに? これが、当たり前なの? そ、そうね、薄い本ではもっと過激なものなんていくらでもあったし、初めてで、痛いっていうのもあれば、最初から気持ちいいってうのもあった。
「ほら、声、出して。ここは、俺達の家だ、我慢する必要はない」
ねっとりと胸を舐められ、最初は違和感しかなかったものが、ゾクゾクと背筋を震わせるなにかになってきた。
「は……っんっ」
彼に触れられた場所が、妙に敏感に、熱くなる。
ざわざわと肌が騒ぎ、体の奥から熱が涌き出てくる。
自分以外の体温が触れる感触、大きな体に覆われ、見た目よりもずっと細やかな動きをする彼の手が、私の体を撫でる。
開かされた私の足の間に陣取った彼は、持ち上げた足をねっとりと舐める。くるぶし、ふくらはぎ、膝裏、そして太股の内側の柔らかい部分を唇で刺激するようにしながら、だんだんとそこに近づいてくる。
彼の指先が足の付け根、恥毛に隠されたその場所に潜り込み、確かめるようにその割れ目を撫でたあと、その周囲を解すようにぷっくりとした肉を揉む。
「ふっ……んんっ」
恥ずかしさに目を瞑り顔を背けると、余計に彼の指の感触を意識してしまう。
ゆるくそこを揉んでいた彼の指が、ふとした瞬間にその割れ目の奥につるりと指先が滑り込む。
「濡れてる」
掠れた声で申告され、恥ずかしさに一層顔が熱くなった。
ゆっくりと指が、なかに入ってくる。
「んんんん……っ」
入り込んでくるそのまざまざとした感触に体が竦む。
「痛いか?」
心配そうに効いてくるヒトセさんに、小さく首を振り、正直に申告する。
「な、んか。なかに入ってくるの、気持ち悪い」
「じゃぁ、気持ちよくなるようにしないとな」
そう言ってわたしの頬にキスをした彼によって、”気持ちよくなるまで”なかやそとを愛撫され尽くした。
何度かイクというのを経験もさせられ、固くなった彼がいよいよ挿入されるというときには、もうすっかりそこはドロドロだった。
なかから溢れるぬめりで滑るその場所にあてがわれた感触におびえる前に、彼のモノがなかに押し込まれる。
「んんんっ!」
痛くはないけれど、広げられる苦しさに顔が歪む。
ミシミシ音がしそうだ、そ、挿入ってこういうものなの? いや、実際こうなってるわけだし、こういうもの、なん、だ、ね、んぎぎぎぎぎっ!!!!
待ったを掛けようと、薄目を開ると、苦しげに顔をしかめているヒトセさんの顔が視界に入った。
お互い様なら、我慢しなきゃ。
不意に沸いた使命感に、拒絶の言葉を飲み込み、私は彼を体の奥まで受け入れた。
冷静に考えれば、お互い苦しいのなら止めとけばよかったのだと、気がついたのだろうが、生憎と、彼が意識を取り戻したこと&相思相……愛、って恥ずかしいな、こんちくしょう! ってことで、色々とキャパシティをオーバーしていた私は、『気持ちよくなるまで』彼に体を開かれ続けた。
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