第31話 アーカイバ

 それから3日間、私は神社の歴史に詳しい人やら、神社の歴史やらを調べさせられた。

 すっかり、街のお年寄りと仲良くなってしまった。

 相良警部補は資料室に籠って、色々と調べていたようだ。

 時折覗いてみると、タバコ咥えて唸っているか、寝ているか。

「相良警部補…警部補……相良さん!!」

「んおッ…」

 寝ていた相良を起こす花田。

「寝ているときはさ、寝かしといてあげてくれないかな…眠いんだからさ」

「勤務時間でなければそうします」

「俺の勤務時間?何時から何時までなの?」

「警察官は24時間、警察官です」

「そんなアホなこと…花田巡査、俺達は正義の味方じゃないんだよ、国から給金貰って税金だって納めてる、立派な国民なわけ…無償で奉仕するのをボランティア、無休で働くのが正義の味方、我々とサラリーマンの違いは給料の出所…ねっ、8時間勤務が基本なんだよ、というわけで、俺は今、休憩時間なんだ」

 クドクドと持論を展開する相良。

 それをポケーッと眺める花田。

(良く回る口だ…)


「調べましたよ、神社の云われに詳しい人」

「あっそうなの…それだけ聞いて休憩に入りるよ」

(今まさに休憩中だったでしょ…入るよとは図々しい…)

「桜井…崇」

「サクライ・タカシ?」

「38歳、自営業、自転車屋さんです」

「へぇ…なんでまた?」

「彼の父親が、神社の神主から譲り受けた絵巻物を持っているそうです」

「神主なんていたの?ボロ神社に?」

「名ばかりですが…」

「ん?サクライ?」

「はい…桜井 敦の父親です」

「はぁ~、そういうこと…」

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