第11話 ジャッジ
「あんなこと、悪いですよ相良警部補」
花田巡査が怒ったように言う。
「ん?どうして?なんで気を使わなくちゃならんの」
「捜査協力者じゃないですか」
「捜査してればね…捜査協力者かもしれないけどね…しとらんのよ、コレが」
「じゃあ、相良警部補は何のために来たんですか?」
「だから、対面的な対応も必要でしょ、でなきゃ俺、独りで寄こさないでしょ」
額に手を当てて、うつ向いて首を左右に振る花田巡査。
「キミだって、なんかしたから、俺の運転手なんて言いつけられたんじゃないの?」
「えっ?…まぁ…心当たりはありますけど…この件とは無関係です」
「へぇ~、その心当たりを聞きたいね、道中で聞かせてよ」
「道中?」
「あぁ…現場、行かないとでしょ、刑事なんだからさ一応は俺も」
「あぁ…そうですね…じゃあ、挨拶してきますよ私が」
「うん、お願い、俺、車で待ってるからキー貸して」
学校を後にして、神社へ向かう、その道中に花田巡査がやらかした失態を聞いた。
一生懸命、駐車違反の取り締まりをしていたのだが、自分のミニパトを駐車禁止の場所に停めて通報されたらしい。
「よっぽど…邪魔だったんだね~」
「職務に忠実なあまり、ちょっと放置時間が超過してしまっただけです」
「キミはアレだな、買いものに行くと、当初の目的のモノを買い忘れてくるタイプだろ?」
「いえ、ネットショップが主ですから」
「あ~、いい判断だと思うよ」
タバコに火を付けようと咥えると
「この車、禁煙です警部補」
「あ~そうなの…じゃあ飛ばしてくんない?」
「安全運転です、このうえ速度超過で通報されたら…また始末書を書かなきゃならないんですから!!」
「始末書で済んでるうちは可愛いもんだよ…」
俺なんか…と言いかけて止めた。
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