第7話 コンタクト

「相良警部補、ココで待たれますか?」

 第一発見者『桜井 あつし』の通う小学校の応接室でお茶を飲みながらボーッとしていた。

 歴代の校長の写真が飾られている部屋、子供の頃を思い出す。

(なんで学校ってのは、歴代校長の写真を飾るんだろう?)

 そんなことを考えていた。

 面倒くさい説明は、花田巡査に任せて俺は校長の写真と名前を意味も無く目で追っていた。

 それしかすることがないから。

「相良警部補!!」

「ん?あぁ…聞いてたよ、ソレでいいよ」

「待つんですねココで」

「あぁ、他にどこか待つ場所あるの?」

「待たせていただきますので、授業が終わったら呼んでいただけますか、桜井くんを」

「解りました、あと1時間ほどですので…では」

 校長が応接室を出て行った。

「花田巡査、あの校長もさ、いずれココに額縁として飾られるのかね~」

「はっ?」

「いや、ほら、なんで自分の痕跡を、こんなに残したがるのかなと思ってさ」

「名誉だからですか?」

「名誉なのか?校長になることが?死んだ後もこうして崇めて欲しいってことかい」

「さぁ、でなければ自己顕示欲ですか」

「あぁ…そっちのほうが解りやすいよな、自分の絶頂期を留めたいってか…呪いだな、まるで…」

「何言ってんですか?」

「何言ってんだろうね~、俺、ちょっと校内見て来るわ」

「えっ?誰か呼びますか?調査ですか?」

「調査?はぁ~、お前さん勘違いしてるよ、警察は調べてないよ何も、今回の件はさ」

「はっ?」

「遺体の身元は解ってんだからさ、本国へ返して終わり、俺が来たのは建前上ね何か捜査してますよって対面だけなの、英国へのさ」

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