前のエピソード――第13話プリマウェージ

悠太

絵本作家を志す少年。父親に半ば強制的に月面での労働に送り込まれる。

万梨阿

悠太が月面で出会った少女。スターダストの採掘場を地図上で当てたり、肉体を抜け出して幽体だけで行動するなど、未知数の能力を持っている。本体は、病弱でほとんど寝たきり。

小林

悠太の友人で、悠太と同じ一四歳。超のつくオタク少年。将来設計は、月面に行ったコネで大企業に就職し、会社にぶら下がりながら二次元に愛を注ぐ。

上官

東京都内の某有名大学の大学院生。専門は、宇宙工学。OISDの特別枠で採用され、月面に来た。各班リーダーを取りまとめる「リーダーの中のリーダー」。

　論理を徹底的に信望しており、根拠のないものは信じない。政治や文学にも関心があり、電子版の新聞を毎日読んでいる。

河上

　日本の有名大学一年生で、上官たちと同じ「特待生枠」で月面に来た青年。上官と違い、たばこやギャンブル、猥談が大好き。経済学部所属。

リカ

悠太が月面で出会った娼婦の女性。絵画が好きで、クリムトの絵を愛好している。

スターダスト（stardust)

石油に代わるエネルギー資源として注目されている新資源。空気に触れると、急激に発熱する。人類の技術では感知することができず、万梨阿の能力なしでは採掘場所が特定できない。

OISD

Organization　for International Space Developmentの略称。日本語名は国際宇宙開発機構。宇宙資源開発を目的として、JAXAを解体・吸収して成立した半官半民の国際機関。理事会メンバーは、日本、フランス、アメリカ、ロシア、中国の政治家・エネルギー関連企業の役員5名が務めている。

星屑採集少年編成隊

星屑採集による青少年の理工学分野への関心増進および人格形成を目的にして作られた一二歳から二四歳までの少年労働者の集団。一年間の任期で、地球への帰還後は政府から奨学金が出るなど、優遇措置を受けられる。全二〇班で、一班平均五名で形成されている。各班には、採集量に責任を持つ司令塔・リーダーが１人ずついる。日本人は二八名で、アメリカ、イギリス、中国など先進国を中心に構成されている。