「申し遅れましたが私の名前は、マーラス＝タチアと申します。マーラスとお呼びください」

「僕はヴィレム。よろしく」

基本無口なチトリが口を開いた。

「今、タチアと申したか。どこかで聞いたことあるの」

「あなたはチトリですね。そうなんですか」

「わらわが昔住んでいた場所（ところ）では有名だ」

あれ？そういえばタチアって自分も聞いたことがある気がする。

もしかして、チトリって転生してきたってことはないよな。

「着いたよ。早く入ろう！」

「わらわは楽しみじゃ」

「僕も楽しみ」

「私は怖いです」

「大丈夫だよ。僕が出来る限り守るから」

「頼もしいです」

「よし、じゃあ入るよ」

僕らは記念すべきタワーへの一歩を踏み出した。

この一歩は物語の始まりの一歩でもあった。

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