episode 1-4 歴史と勇者とガキ大将

「じゃあ、タワーの歴史について話すね」 

「お願いします」

クラッチは昔話が書いてある本を取り出してページを捲った。






ここのタワーは昔、100種以上の獣によって蹂躙されていた。その獣を10種まで減らした方がいました。その方は突然、空から現れて、瞬きを1回するたびに1種、また1種と獣を減らしていきました。ですが、空から現れた、別のお方に連れて行かれてしまいました。そして、そのお方は空から現れたので空言と掛けて「空現の勇者」と言われました。後々分かったことですが、その10種の獣は特殊な種類であるという事が分かりました。そして、10種の獣は今も上層にいるといわれている。



「これがタワーの歴史。どうだった?」

「もともとは100種も居たんだー。それは私も知らなかった」

と、クラリスが言った。

「その勇者凄いですね」

「……わらわはその獣と戦って見たいのだ」

その瞬間にチトリ以外の全員が思った。これは戦いにいく流れだと。

「チトリ、それは絶対に嫌だ。危険すぎる」

「でも、絶対に行くのだ。わらわは戦ってみたいのだ」

カシスが驚嘆の表情から、ニコリと笑って

「まぁいいんじゃない。無謀だとは思うけど1回行ってみて、無理そうだったら帰ってくれば、何にも問題はないよ」

「よいよい。わらわは行くのだ。そして、帰ってくるのだ」

「いや、行く前から帰るきなんかい」

その瞬間にチトリ以外の全員が思った。やっぱり、戦いに行く流れだと。

でも、いいんだ。なぜなら、物語を面白くする流れはこれ以外に代替が効かないからだ。





「よし。もう帰るね。早くタワーを登らなきゃいけないから」

「うん。分かった。クラリス・・・さようなら。墓はつくってあげるからね」

「そんな、縁起でもない事言わないでよ。一回で登りきるわけじゃないからね。だって、100階層ぐらいある迷宮タワーとして有名だからね」

「うん。分かった。じゃーね」

重い木製の扉が入るときより軽くなっている気がした。

「まってクラリス。これを持っていって、困ったときに使ってね」

「うん。よくあるやつね」


ヴィレイが憂い顔で

「タワーの歴史はよく分かったんだけど、さっき言っていた100階層ぐらいあるって冗談だよね?」

「本当だよ。昔、獣は1階層に1体の獣がいたから100種類ぐらいの獣がいるってことは、100階層ぐらいあるのは当たり前でしょ。でも、大丈夫。今はもう上層にしかいないから、下層と中層は雑魚しかいないから安全」

「でも、そういうのって雑魚の中にも強い奴がいて、そいつが1つの階層のボス的な感じになっているんじゃ・・・」

「まぁね。まぁ、チトリがいるし大丈夫でしょ」

「まぁわらわは強いからな」



そんなことを話していると、酒場の近くに戻ってきた。

「もうすぐ、タワーだね。よし、みんな頑張ろう。ん?なんか、野次馬が集まっているけど、私たちも野次馬になると大体変な事起こるから、関わらないようにしよう……」

野次馬の注目しているところから声が聞こえた。

「ねぇちゃん、俺と一緒にいいことしようぜ」

「私は何もしていません。なので離してください」

「俺様に逆らうのかよ。なら、こいつをやっちゃおうぜ」

「そんな、某アニメのガキ大将キャラが言いそうな事言わないでください」

「なんだそれは、そんなことより、野郎どもやっちゃおうぜ」

もう、無理だと思っていたであろうこの女性は確実に助けられる流れだ。

なので、この後にヴィレイが助けます。



「この、女性は何もしていないじゃないか。だから、やめろ」

「何だと、こいつをやっちゃおうぜ」

「お前な、「ぜ」とか言ってるけど、お前の仲間はいないぞ」

「まさか、あいつらを倒したのか」

「いや、最初からいない」

「よし、お前は強いな。今日は見逃してやろう」

「いや、だから倒してないっ・・・。行っちゃったか」

「ありがとうございます。一緒にお供してもよろしいでしょうか」

「いいよ。今からタワーに行くけど大丈夫?」

「ありがとうございます」

こうして、またタワーに向かうのであった。

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