Pawoo、譲渡される

 長い間更新を停止していた状態だった当コラムですが、非常に大きな動きがあったので、書き留めないわけにはいかないだろうということで新記事アップします。

 以前の更新で『.jp』が譲渡されたということをお送りしましたが……


 今度は私もアカウントを置いている、Mastodonでも世界最大規模のpixivさん運営さんの『Pawoo』が、2019年12月2日をもって株式会社クロスロードに譲渡され株式会社ラッセルによって運営されることが発表されました※。

※pixivさんおよびラッセルさんのプレスリリース、ITmediaさんの報道など



 このクロスロードさんおよびラッセルさんはどういったところかと申しますと、調べたところ、クロスロードさんはかつて『紙風船』という中古アダルトゲーム販売店を運営していた会社。ラッセルさんのほうもアダルトゲームの流通・販売を手掛ける会社であるそうです。

 かねてより二次元のアダルトイラストにある程度の強みを持つソーシャルメディアであった『Pawoo』ですが、新運営さんもその方面の理解はあるものと思われます。


 今後はTwitterなど既存のメディアでは宣伝手段が限られていたアダルト方面の利用が広がる可能性がありますね。と同時に、Twitterの代替となりうるようなユーザーの爆発的広がりは起こりづらくなったかもしれません。



 譲渡による懸念もあります。

 先に取り上げた『.jp』ですが、さらに新たに設立された会社に譲渡されたものの、現在長期間にわたり接続が不安定な状態が続いているそうです※。

※11月中にサーバー増設による安定化を図るとのこと


 つまり、新運営となることにより不便な状況に陥る可能性だって十二分にあるということです。


 pixivさんはオタクにとって広く知られた会社であり、さまざまなインターネット上のサービスを手掛けていることでもある種の信頼感がありました。運営がpixivさんだから……ということで利用していた人もいらっしゃるでしょう。それが曲がりなりにも現在58万ユーザーを擁するソーシャルメディアとして存続できた大きな理由だと思います。


 今後はpixivさんの築いたPawooという土台を新運営のラッセルさんは維持・発展できるのか、というところが問われていくことになりますね。


 ともあれ、4月に運営を終了したドワンゴさん運営の『friends.nico』、そして『.jp』に続き『Pawoo』までもが譲渡、ということで、日本におけるMastodonの展開は大きな曲がり角を迎えたのでしょうね。



 やはりTwitterさんはつよい。十年以上にわたって日本で築き上げた実績はちょっと凍結騒ぎがあったとしてもそう簡単に揺らぐものではなかったですね。


 自分もこれについてはほとほと思い知ったのですが、ソーシャルメディアの移行はよほどもともとの知名度が多い人でない限り、フォロー/フォロワーの関係性を再度イチから築き上げなければならず、言葉以上に大変な手間をともなうし、また他者にそれを強いるものであるということです。


 一部の知り合いの方々はついてきてくれたのですが、それでも大多数のフォロワーさんはMastodonに移住するというところにまでは至りませんでしたからね……私も結局はTwitterばかり使ってますし。


 絵描きさんにしても数百~数万単位でいいねがつくTwitterのほうが多くの人に観てもらいやすいメディアとしてとどまり続けますよね……


 『小説家になろう』さんとカクヨムちゃん、『YouTube』さんと『ニコニコ動画』さんの関係性にも似たようなことを指摘できるかもしれませんが……やはりユーザー人口が多い、というのはそれだけで圧倒的な利点だということを思い知らされます。

 


 また、初期の旗振り役の作家さんがロリ方面の作風だったため、ロリ絵描きさんの逃避先、というようなイメージが確立されてしまったのが良くも悪くも影響が限定的になってしまった理由かもしれません。


 実際には多種多様な作家さんがいらっしゃるのですが……


 余談ですがその旗振り役の方は別件で大炎上、活動休止に至ってしまったので、あの時『Pawoo』が大きな話題となったことも語りづらくなってしまいましたね……


 

 ともあれ、幾度となく完結状態にした本コラムですが、断続的に書いていく必要性がまだまだあるかもしれません。今回はこのへんで。それでは。

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