UserStream廃止とその影響

 2018年8月16日、大手ソーシャルサービスであるTwitterは、ある意味で「らしさ」を象徴していたある機能を停止しました。


 それが「UserStream」と呼ばれる技術の停止です。


 聞き慣れない方もおられるかもしれません。

 ですがTwitterを利用したことのある方ならば体感したことがあるはずです。



 私も専門家ではないので大雑把なことしか知らないですが、要は


「フォローしている人の打ち込んだつぶやきがリアルタイムで自動で流れてくる」


という機能です。



 ね? Twitterの根幹ともいえるシステムでしょう?


 その性質からして、利用者が多ければ多いほど管理にかかる負担は計り知れないことは素人にも想像に難くありません。

 Twitterの、滝のように流れてくるつぶやきが好きだったというような一部ヘビーユーザーを中心に『Mastodon』へ移行する、という流れが見られたのです。

 同時にアカウント凍結処分や露骨な数増やしアカウントの排除が進められたことも、その流れに拍車をかけたといえます。

 


 どうやら8月15日からユーザー数の爆発的増加は観測されていたようですが、やはり勢いがあったのは16日から数日でした。


 私のような「出戻り」も含め投稿ユーザー数が前日比で3,000人近く増加するなど、わたしのいる最大組織『Pawoo』でも久しくなかった盛り上がりが見られました。



 ですがそれ以上に今回新規ユーザーの受け皿になったのは、『mstdn.jp』(通称『.jp』)という日本人向けのサーバーです。


 Mastodonブームの最初期に大学生(当時)が立ち上げたサーバーでしたが、今ではユーザー数18万弱(8月29日現在。全体で3位)。

 総ユーザー数こそ『Pawoo』の半数以下ですが、アクティブユーザー数・一日あたりの総投稿数においては優位であり、日本人向けのインスタンスとして半ば「公式」のような立ち位置となっています。


 そんな『.jp』における投稿者の増加は実に前日比4,600人以上を観測したようです。最初期を除き、これまで『Mastodon』のユーザー数増加を牽引してきたのは主に『Pawoo』だっただけに、新しい傾向といえるでしょう。


 

 一時は過熱ぶりも見られましたが、8月29日現在ではほぼ落ち着いた模様です。

 とはいえ今回の、何度めかの爆発的流入により『Pawoo』のユーザー数が40万人を突破したようです。おめでたい。

 

 もはや社会インフラであるTwitterと比較してしまうと小さな存在に見えてしまうかもしれませんが……pixivさんという、いちイラスト投稿サイトの運営するコミュニティとして考えるとかなり大規模なものです。


 それに、『Mastodon』のインスタンスは実に5,000以上あります。

 つまり大小5,000超ものコミュニティが存在することになります。

 一部のユーザーは特定のインスタンスごとにアカウントを持っているので被っているところも多く実数はわかりませんが、Mastodon全体の利用者数はもっと多いはずです。依然として大きな可能性が眠るソーシャルメディアであることには変わりはないと思っています。

 


 ……というわけで、はい。

 いまさらではありますが、ざっくりめにここ最近の『Mastodon』の流れを書きました。


 Twitterになにかがあるたび『Mastodon』に注目が向けられるの、もはや恒例となった感もありますが……Twitterの影響なしにユーザーが選択するようなソーシャルメディアへと成長できるかどうか。これからも観測していきたいと思います。

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