Pawooの台頭とツイッター凍結事件

 現在でも非常に多くのインスタンスが有志の方々によって設立されておりますが、先述したとおり『Pawoo』『mstdn.jp』『friends.nico』の3つにユーザーが集中しています。


 中でも最大のインスタンスがpixiv社の運営する『Pawoo』であり、'17年9月15日時点でおよそ25万人のユーザーが登録していました。


 『.jp』が約14万、『.nico』が約5万ですから、人数でかなり圧倒しているのが一目瞭然。この人数の多さは日時が経った'17年11月時点でも変わりはありません。

 この『Pawoo』になぜユーザーがこれほどまでに集中しているのか?

 それにはTwitter上で起こったある騒動と無縁ではありません。

 


 以前からTwitterでは、同人界で有名な絵描きさんなどを中心をしたユーザーさんが突然アカウント停止となる「凍結」措置を相次いで受けるケースがみられました。


 そのため、最初にマストドンというSNSが紹介された時彼らが真っ先にTwitterに代わる新天地として『Pawoo』に押し寄せ、'17年3月に起こった第一次マストドンブームともいえる現象の、陰の原動力となったのです。



 当初は日本人ユーザー向けの広い受け皿として設立された『.jp』に勢いがありましたが次第に落ち着きを見せ、『Pawoo』のユーザーが爆発的に増加しました。

 


 これはどういうことでしょうか?

 引き金となったのは、'17年8月下旬にTwitter上で起こった凍結騒動です。



 あるユーザーが、Twitterの悪質ユーザーを通報する機能を悪用して気に入らない絵描きさんのアカウントを相次いでアカウント永久凍結措置に追い込むという騒動が発生しました(現在被害者は凍結解除済み)


 これにより、Twitterではすぐに凍結されてしまうとして絵描きさんの間を中心にして不安感が広がったようです。

 

 そんな流れがあった中で、'17年の8月27日、ある同人作家さんがTwitterと比較しつつ『Pawoo』のよさを強調するツイートを行ったことが契機となりユーザーが大挙して押し寄せ、再度マストドンが脚光を浴びることとなったのです。

 これにはTwitter社も大きな危機感を持ったようで、「表現者を最大限保護する」(大意)と釈明に追われることとなるのですが、ここでは詳述しません。



 要はTwitterに代わる新たな活動の場として絵描きさんの間でマストドンが注目されているということができます。運営するpixivさんもさまざまな改良を行っており、その期待に応えようとしています。


 絵描きさん以外のユーザー側も、おすすめユーザーやメディアタイムラインに表示されたイラストを吟味しつつ気に入った絵描きさんをフォローすることができるなど、イラスト鑑賞に興味のあるユーザーへ向けられた利便性が図られているほか、投稿可能な文字数の多さから小説書きさんにも向いているのではないかと思われます。



 以上の観点から、『Pawoo』の人口増加の流れは今後しばらく続くのではないかと私は見ています。


 とはいえ、一応ここカクヨムさんはニコニコ動画を運営するKADOKAWAさんのコンテンツでありますし、一応プレミアム会員でもある私個人としても、ニコニコ動画ファン向けコミュニティである『friends.nico』も『Pawoo』同様盛り上がっていって欲しいとは思っています(上段の「マストドン」って書いてあるリンクから入れますよ)

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