マストドンとは実質コミュニティ機能のついたTwitter
マストドンがTwitterなどのサービスと大きく違うところは、前に申し上げましたが、マストドンというのはあくまでもマストドンというプログラムを使って動いているサービスの総称である、というところです。
つまり、マストドンというソーシャルサイトの中に、いくつものマストドンのシステムを使った個別のSNSがあるのです。マストドンに革新性があるとすれば大きくはこの一点ということになるでしょう。
マストドンは分散型、ないし脱中央集権型のSNSであると言われています。
マストドンはそれぞれ設立されたサーバーごとに所属するユーザーが分かれています。その所属サーバーのことを「インスタンス」と言い、サーバー設立の知識さえあれば実質誰にでも好きなインスタンスを作り上げることができます。
これはつまり、誰でもTwitterと同じようなサービスを運営することができるということを意味しています。本当に革命的なことです。
たとえばTwitterの場合は、Twitter社がそのサービスを一元して運営しています。Twitterの利用を続けていきたい場合、よくも悪くもTwitter社さんの意向に従わなければなりません。これが「中央集権型」とされる形態です。
ですがマストドンの場合、その運営主体に不満があるのなら容易に他のインスタンスに移ることだってできるし、なんなら新しい移住先を設立することだってできるのです。
これがマストドンの持つ大きな可能性なのではないでしょうか。
マストドンは「連合タイムライン」という形でゆるやかに全体のつながりを保ちながらも、各インスタンスごとに「棲み分け」ができる、という意味で、Twitterなどが全体への拡散性と共有性のためにあえてオミットしているコミュニティの形成につながります。
マストドンというものが広がっていき新規参入が相次いだならば、今後ますますインスタンスごとに棲み分けしていくコミュニティSNSとしての側面が強くなっていくことが予想されます。
ただし、誰にでもインスタンスを設立できるという特性上、信頼できる運営元でアカウントを作成するべきでしょう。
現在でも大小さまざまなインスタンスが立ち上げられさながら小さなコミュニティが乱立している様相を呈していますが、くれぐれも所属先選びは慎重に。
現状は、現在最大派閥のpixivさん運営『Pawoo』(パウ―)か、最初に設立された日本人向けインスタンスである『mstdn.jp』(以下『.jp』)、またはニコニコ動画さんが運営する『friends.nico』(以下『.nico』)――といった三大インスタンスのいずれかにアカウントを作成すればよいでしょう。
それ以外の場合、原則として自己責任であることは覚えておいてください。
じゃあたとえばpixivさんの『Pawoo』ユーザーと『.nico』ユーザー同士で交流できないのか、というわけではありません。
これもまたマストドンの革新的なところなのですが、それぞれ別のインスタンスに所属している人の投稿も「連合タイムライン」で見ることができます。
マストドンには自分のフォローした人の投稿だけを見ることのできる「ホームタイムライン」と、所属しているインスタンス全体の投稿を見ることのできる「ローカルタイムライン」(LTL)、そして先述のマストドン全体の投稿を見ることのできる「連合タイムライン」とがあり※、他サービスと比較して非常に多くの視聴形態が選べることに大きな特徴があります。
※画像投稿サイトpixivさんの運営する『Pawoo』ではイラストのみを見ることのできる「メディアタイムライン」もあります
そして多くのユーザーにとってこれがとても革新的に映るはずです。
Twitterなど先行する他サービスの場合、投稿されたほかの方の文章や画像などを見るにはその人をフォローしていかなければなりませんが、マストドンの場合フォロー/フォロワーが0であったとしてもローカルタイムラインや連合タイムラインを選択すれば全体の流れが追えてしまうのです。
これは本当に他サービスにはない、目に見える形でのマストドン最大の特徴といえます。
所属が異なる人同士でも交流できるようにするための方策であると思いますが、同時に、少人数のアクティブユーザーであっても多くの投稿を目にすることができる=タイムラインをにぎやかに見せるためのものでもあるといえるでしょう。
連合タイムラインを見れば、人によってはまったく体験したことのない文字情報の流れを目にすることとなるかもしれません。
これは逆に言うと普通にトゥートしてしまうと全体に流れてしまうことも意味していますが、それゆえに他サービスよりもきめ細かく投稿範囲を指定できます。
全体に公開することもできますし、ローカルや連合のタイムラインに載せないようにしたり、フォロワーさん限定公開にしたり、視聴可能な人を指定することもできます。
この公開範囲指定の多彩さはユーザーにとって大きな魅力でしょうし、コミュニティSNSとして棲み分けがなされていくにあたり核となる機能だろうと思われます。
また、画像投稿に視聴注意を促す機能として、クリックしなければ文章や画像を視聴できなくする視聴制限も可能です。
これはアダルトな絵や猟奇的な絵などへの注意喚起に使うためですが、日本のルールでは視聴に問題ない絵でも諸外国では児童ポルノとして閲覧することができなかったりすることへの配慮も含まれています。
厳しい表現規制を持つ国と日本人ユーザーがつながることに関して、日本でブームとなった時に設立者ロッコ氏をはじめとした外国人ユーザーとpixivで議論となり、『Pawoo』へのアクセスが他のインスタンスから一時隔離される、という事態にも発展したようです。
『Pawoo』独自の試験的機能ではあるのですが特定のトゥートを指定した時間で自動で消えるように設定できます。該当のトゥートには#expというタグのあとに時間を表す数字とd(日)・h(時間)・m(分)・s(秒)のいずれかが表示されます。1分から7日間までの5段階が用意されています。
これもTwitterにない便利な機能であることは間違いありません。
機能面の話は大まかにこれでだいたいお話できたと思います。
まとめると、投稿範囲を細かく指定できて各サーバー(インスタンス)ごとの棲み分けと全体の共存が両立できるTwitterのようなところがMastodonである、といえます。
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