第362話「デートプラン」


「安藤くんはまだ来てないみたいね……」


(今日は安藤くんと久しぶりのデートの日。待ち合わせはデート気分を盛り上げたいから、家とかじゃなくて駅前にしたけど、張り切り過ぎて少し早く着きすぎちゃったわね)


「ウフフ♪ 安藤くんと付き合う前の頃は、緊張しすぎちゃって待ち合わせの三時間前に着いちゃうなんてこともあったわね♪」


(でも、流石の私もあの頃のような失敗はもうしないわ。今回だって早く来過ぎたと言ってもほんの待ち合わせの一時間前だから、今日のデートプランの確認でもしていればすぐに待ち合わせ時間になるわよね♪)


「今日はテレビで紹介してたラノベアクアリウム展を安藤くんと見に行く以外は予定が決まってないのよね」


(だから、その後の展開はデートの流れ次第……つまり、私が安藤くんをどれだけしっかりエスコートできるかにかかっているのよ!)


「まぁ、本当はね? デートのエスコートも安藤くんに期待したい所なんだけど……あ、あまり安藤くんに負担をかけるのも悪いわよね!」


(そうよ! 彼氏がデートをエスコートしやすいように、陰ながらデートの流れを支配してエスコートのエスコートサポートをしてあげるのが本当のできる彼女学校一の美少女ってものなのよ!)


「ウフフ♪ それに、デートの流れ次第では……」



*ここからは朝倉さんの妄想です



「朝倉さん、ラノベアクアリウム展楽しかったね! えっと……この後、どうしようか?」

「ねぇ、安藤くん。良かったら、何処かで少し休憩していかないかしら? ちょっと、胸が重くて肩がこっちゃったわ♪」

「ああ、そうだよね! 結構歩き回ったから、肩もこるよね。特に朝倉さんならなおさらだよ! じゃあ、少し早いけど……何処か落ち着けそうな夜景の見えるイタリアンレストランでごはんでも食べようか?」

「ええ、そうね。安藤くん♪」 虚にゅーん♪ 



*妄想(笑)終わり



「みたいな感じもありよね!」 スカーン!


(そ、それに流れ次第では、そのまま夜まで……)


「なんちゃって♪ ムキャァア~! 私ってば何を考えているのよ♪ 今日はそういう目的じゃなくて純粋に安藤くんとラノベアクアリウムを楽しむのが目的なんだからね!」


(で、でも、安藤きゅんが望むなら……)


「その為には、最適なスケジュール管理が大切ね! まずはアクアリウムの後にご飯を食べるとするならお昼はなるべく控えめにしたいわね!」


(だって、お昼で食べ過ぎたらディナーのイタリアンレストランが食べれなくなるものね♪)


「なら、お昼は何処かのカフェでサンドイッチとかで済ませる流れにしたいわね」


(その方が安藤くんのお財布事情的にも優しいしね。ウフフ♪ 彼氏のお財布にも配慮できるなんて、流石は私ね!)


「問題はどのようにお昼をカフェに誘導するかだけど……」



*ここからは朝倉さんの妄想です



「朝倉さん、待った?」

「いいえ、安藤くん。ちょうど、今来た所よ♪」

「それなら、良かった♪ じゃあ、行こうか?」

「ええ、安藤く――キャ!」 スカーン! ← わざとよろける朝倉さん

「朝倉さん! だ、大丈夫? 俺が支えなかったら倒れてたんじゃない?」

「安藤くん、ゴメンなさいね? ちょっと、胸が重くてよろけちゃったわ」

「まぁ、朝倉さんの胸の大きさならよろけちゃうのも分かるけど……もしかして、本当は結構待ってたんじゃないの?」

「えっと……ほんの十分くらいよ?」

「なら、何処かで少し休憩した方がいいね?」

「あ、それなら、あそこのカフェなんてどうかしら?」

「そうだね。ラノベアクアリウムまでは時間もあるし……ついでだから、そこのカフェでランチでも食べながら休憩しようか?」

「ええ♪」



*妄想(笑)終わり



「完璧ね!」 スカーン!


(この流れなら、カフェでランチを取ってから、電車で移動してラノベアクアリウムを堪能し、その後は周りの街並みを探索しながら、近場の夜景が綺麗なイタリアンレストラン付近で、足が疲れたアピールをすることで安藤くんが食事に誘いやすいように誘導して、あわよくば終電まで――)


「朝倉さん!」

「あ、安藤きゅん!」 スッカーン! ← 頭の中のデートプランが吹っ飛ぶ音

「朝倉さん、待った?」

「いいえ、安藤くん。ちょうど、今来た所よ♪」

「それなら、良かったよ♪」


(朝倉さんの事だから、待ち合わせの十分前にはついているだろうなと思って、十分前に来て正解だったな)


(え、もうこんな時間なの!? ちょっと、デートプランを予習してただけで、もう待ち合わせの十分前になっているなんて……やっぱり、早めに来ておいて正解だったわね!)


「じゃあ、行こうか?」

「うん♪」

「あ! でも、向こうに行く前にお昼だし何か食べていく?」

「そ、そうね!」 スッカーン! ← 吹き飛んだデートプランが戻りかける音

「じゃあ……ラーメンでいいかな?」

「うん! 安藤くんが選ぶ物なら何でもいいわ♪」



 ポンコツ~ン♪ ← 結局、頭の中のデートプランが消し飛んだ音



 この日、デートが終わるまで朝倉さんのデートプラン(笑)は消し飛んだままだった。




【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう。委員長よ♪

 クフフ……次回の更新は25日クリスマスの予定だから更新チェック忘れないでね? 誰ルートのクリスマスか予想できる人はいるかしら?

 さーて、次回の『何故かの』は?」



次回『何故かの』???ルート「クリスマス」よろしくお願いします!



「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。

 皆、出す手は決まったかしら? わたしはもちろん決まっているわ♪


 因みに、皆のクリスマスの予定はどうかしら?


 ペタペタ・ペタりん♪


   じゃん・けん・ポン♪」 


























【パー】


「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」


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