『何故かの』(大学生編)???ルート


 ~ピンポンパンポーン♪~


【今年もやってきました『何故かの』恒例のクリスマス特別編SSです!


 クリスマスに一人で読む方は強い心をもってお読みください。

 また、今回の話を読んでどのようなことがあっても、作者は一切の責任を取りません。

 なので、行き場のないどうしようもない気持ちをぶつけたい人はコメント欄に


『山田ぁああああああああああああああああああ!!』


 と、書き込んでスッキリしましょう♪】


 ~ピンポンパンポーン♪~





「今日はクリスマスイブか。今年もあと少しだな……」


(なんとか大学に進学して、一年を無事に過ごすことができたけど……大学生になっていろいろあったな……)


「まぁ、一番大きく変わったのは一人暮らしを始めたことかな?」


(妹の奴は『えぇ~、お兄ちゃんなんかに一人暮らしなんてできるのかにゃ~?』とか心配していたけど、やってみれば意外となんとかなったからな)


「まぁ、毎日様子を見に来てくれる『彼女』がいなかったら本当にどうなっていたか分からないけど……」


(しかし、高校生の頃『ぼっち』だった俺が、まさか大学生になって『彼女』までできているとはあの頃は想像もしていなかったなぁ……。しかも、一人暮らしとは言えど毎日『彼女』が世話を焼きに来てくれるから、半同棲みたいな感じになって『一人』暮らしとは言いづらい状況だし……)



 スカァ~ン♪ ← もはや言わなくても分かるチャイムの音ですね♪


「お、噂をすればなんとやら……」


(そう言えば、今日は俺のアパートに『皆』で集まってクリスマスパーティーをするって約束だったな。まったく……『ぼっち』だった俺が『彼女』とクリスマスパーティーとか本当に何様だよって感じだよなぁ……)


「開いてるよー」


(まぁ、言わなくても『彼女』には合鍵を渡しているから、入ってくるとは思うけど……)


「安藤きゅん!」 スカーン! ← ドアが開く音だね


(うん、やっぱり、朝倉さんだったね)


「朝倉さん、いらっしゃい。えっと、他の『皆』は?」


(確か、桃井さんと委員長も来るって聞いていたはずだけど……)


「モモと委員長は大学のゼミがまだあるから、私だけ先に来ちゃったわ♪ それに、その方がクリスマスパーティーの準備もできるでしょう?」

「そう言えば桃井さんと委員長は俺と朝倉さんとは選択しているゼミが違うもんね」


(しかし、俺が朝倉さんや桃井さんと同じ大学に進学したなんて本当に人生はどうなるか分からないよなぁ……。あと、ついでに委員長も一緒か。

 でも、こんな俺が大学に合格できたのも同じ大学を受ける朝倉さんや桃井さんが俺につきっきりで勉強を教えてくれたおかげだから、ある意味これは必然ともいえるのかな?

 あと、ついでに委員長も教えてくれたっけ)


「ウフフ♪ 二人とも『冬休み何だしゼミくらい休みでいいのに……』って、嘆いてたわ」

「まぁ、ほとんどのゼミは冬休みはやらないからね……」


(むしろ、何で桃井さん達のゼミだけあんなにやる気があるんだ……?)


(ウフフ♪ ゼミを選択する時にモモ達と同じゼミを選ばなくて本当に良かったわ!

 私の事前調査ではモモと委員長が選んだゼミには……


『先生が三十路で未婚だから、クリスマスイブにゼミの授業を入れてイチャつこうとするゼミ生の邪魔をしてくる』


 ――って噂があったのよね!

 大学生になって安藤くんが一人暮らししてから、妹ちゃんとかモモとか委員長とかがいて中々『二人っきり』になれる機会が無かったら、今日は安藤くんに思いっきり甘えるチャンスだわ!)


「そ、その……安藤くん? 今はちょうど二人っきりなわけだし、皆が来る前に少しだけ……ね?」

「え! あ、朝倉さん……っ!?」 ペタリ ← 朝倉さんが安藤くんにもたれかかる音


(なんか、朝倉さん大学生になってから『積極的』になってません!? ふ、二人っきりだからって、急にもたれかかれたら……微かに胸とか押し付けてるし、流石に俺も『そう言う気分』に……いやいや! 今日は『皆で楽しむ』って決めたじゃないか!

 ……でも、ちょっとだけならつまみ食い(意味深)しても――)



 ビッグメロ~ン♪ ← チャイムの音



「「――ッ!?」」 スカッ! ← 急いで二人が離れる音


「安藤くん、お待たせー♪ 来るのが遅くなってゴメンねー?」


(もう、授業が終わってから急いで来たから疲れちゃったよー!

 でも、いつまでもサクラと安藤くんを二人っきりにはしておけないもんねー?

 まぁ、その代わり委員長は置いてあたしだけ先に来ちゃったんんだけどねー♪)


「サクラ、あたしが来るまでの間……『変なこと』はしてないよねー♪」

「も、モモってば、来るのが早いのね……へ、変なこと? ウフフ、なんのことかしら♪」


(モモってば、来るのが早すぎるのよぉおおおおおおお! もう、あと少しで良い雰囲気だったのに……)


(おやおやぁ~? この空気は何かあやしいですねぇー? うん、どうやら『ちょうどいいタイミング』で来れたみたいだねー♪)


「ねぇ、安藤くん。まさかとは思うけど、あたしとか委員長が来るのに……

『サクラと変なこと』しようとはしてないよねー?」

「う、うん? 変なこと……? な、ナンノコトカナー……」

「ふぅーん? なんか、怪しいなぁー?」


「「な、何もないですよ!?」」


「ふーん……なら、いいけどねー♪」


(二人がそういう態度を取るのなら、あたしにも考えはあるんだからねー?)


「じゃあ、あたしが安藤くんとイチャイチャしちゃおうかなー♪」 メロ~ン♪ ← 桃井さんのメロンが安藤くんの顔面に押し付けられる音

「も、桃井ざん!?ありがとうございます!

「む、ムギャァアアアアアアアアア!? ももも、モモぉおおおお!?

 何を抜け駆けしているのよぉおおおおおおおおおおおお!!」

「ぶぅー! 最初に抜け駆けしたのはサクラじゃないのかなー?

 今日は『抜け駆け禁止』だって、言ったよねー?」

「そ、それはぁ……で、でも、これはモモだって立派な『抜け駆け』よ!

 私だって、まだ何もしてなかったんだからね!」 スカコーン! 朝倉さんの胸部が安藤くんの後頭部にぶつかった音

「あ、朝倉さん!?痛っ!?


(ちょ、何だこの展開は!? 視界は柔らかい至福の感触と共に真っ暗で、後頭部には何かが衝撃と共に押し付けられて……視界を奪われたまま朝倉さんと桃井さんの良い匂いに包まれて頭がどうにかなりそうに――)



 ガチャ ← 部屋のドアが開く音



「……貴方達は一体、何をしているのかしら?」

「「「あ、委員長……」」」


(((委員長が来るのすっかり忘れてた……)))


「確か、わたしの記憶が正しければ、今日は『皆』で楽しむって聞いたはずなのだけど……はぁ、本当に安藤くんは仕方ないわね……」

「うぉい!? 委員長、何で俺だけを責めるんだよ!?」

「クフフ……そんなの、大体悪いのは安藤くんに決まっているからでしょう?」


(どうせ、安藤くんがいつも通りクソハーレムラノベ主人公みたいな優柔不断プレイをしているから、朝倉さんと桃井さんが痺れを切らせたとか、そんな感じでしょう?

 まったく、高校生の時からいつまでたっても優柔不断男のままなんだから……)


「い、委員長の言う通りよ!

 今日は『皆』で仲良く楽しむという約束だもね! 抜け駆けなんて良くないわ!

 さぁ、皆でクリスマスパーティーを楽しみましょう!」

「サクラぁ……?」

「朝倉さん……?」


(先に抜け駆けしようとした人は誰なのかしら?)

(先に抜け駆けしようとした人は誰なのかなー?)




「「「「メリークリスマス!」」」」


「ウフフ♪ 今年もあと少しだけど来年もこうして『皆』で集まれるといいわね♪」

「大学生になってからも『いろいろ』あったけど楽しかったもんねー♪」

「クフフ……そうね♪ まぁ、安藤くんの将来だけは心配だけどね……?」

「そうね。確かに大学生になってからの安藤くんは一人暮らしなのを良いことにお勉強もサボっているみたいだものね?」

「それに、ご飯とかはサクラがしょっちゅう作りに来てあげているみたいだしねー?」


(まぁ、あたしとか委員長も同じことしているから、あまり言えた立場じゃないけどねー♪)


「そこは本当に助かってます……」


(マジで大学生になって一人暮らししてからは、朝倉さん達『皆』に世話になっている部分が大きいから、委員長にこんなこと言われても何も言い返せないだよなぁ……)


「というわけで……今年世話になった皆にクリスマスプレゼントを用意しています!」


「「「クリスマスプレゼント! 安藤くんが!?」」」


(((安藤くんなのに!?)))


「うん……何か三人の驚きが『え、クリスマスプレゼント用意してくれたの!』というよりは『安藤くんにそんな気遣いできたの!?』みたいに聞こえるのは気のせいかな……?」


「そ、そんなこと無いわよ!?」

「そ、そうだよー? ただ、安藤くんは一人暮らしでお金とか厳しいからプレゼントとか厳しいんじゃないかと思っていただけだよー?」

「それに、三人分も用意しているなんて……貴方、本当にお金はどうしたのよ?」

「いや、だって……この一年、大学受験から一人暮らしまで全部、朝倉さん、桃井さん、ついでに委員長の世話になりっぱなしだったじゃん?

 だから、流石にクリスマスくらいは『皆』にちゃんと俺の気持ちを伝えておこうかと思って……臨時でバイトとか増やして頑張って用意したんだよ」

「だから、最近はアパートに来ても安藤くんがいないことが多かったのね?」

「サクラってば、安藤くんと会えなくて寂しいって騒いでたもんねー♪」

「ぬなっ!? モモ、それは言わないって約束でしょう!」

「クフフ……♪ そう言えば、桃井さんも『安藤くんと会えない』って、ボヤいていた気がするわね……?」

「はぅ!? い、委員長ーっ!」


(それを安藤くんの前で言うのは反則じゃないのかなー!?)


「えっと……まぁ、そういう訳なので……

 俺からのクリスマスプレゼント受け取ってくれると嬉しいです!

 まずはこれが、朝倉さんへのプレゼントです」

「安藤きゅぅぅん……」 ウルウル ← 感動で朝倉さんの胸が震える音(錯覚)


(私へのプレゼントは……『赤いネックレス』だわ! 真ん中に入っている石が赤く光って、なんて綺麗なの……っ!)


「これは、桃井さんのプレゼントです」

「えへへ、安藤くん。ありがとうねー♪」


(あたしのは……わぁーっ!『青いネックレス』だー! サクラのとは違って、真ん中の石が青く光って綺麗……うん♪)


「ほい、委員長の分」

「わたしのだけ渡し方が雑すぎないかしら!?」


(まさか、中のプレゼントまでネタに走ってないでしょうね……?

 ――って、これは……『エメラルド緑玉のネックレス』!?

 な、なによ……。安藤くんのくせにいいセンスしてるじゃない……クフフ♪)


「そ、その……指輪とかは『まだ』早いし……ネックレスも安物だけど……で、でも!

 俺は『三人ともみんなを』大切に思っているから!

 あの時……俺が『三人とも大切にしたい』って気持ちは変わらないのを伝えたくて……

 だから、こんな俺でも『皆』で一緒にいてくれると嬉しい……です!」


「「「安藤くん……」」」


(もう、安藤くんってば本当におバカさんね……)


(そんなの言われなくても分かってるよねー♪)


(だから、わたし達は今も『皆』でいるんじゃないのよ……)


「ウフフ♪ 実は私達も安藤くんに『クリスマスプレゼント』があるのよ♪」

「あたしとサクラと委員長の三人で相談してプレゼント決めたんだよねー♪」

「クフフ……安藤くんのプレゼントに対するわたし達なりの気持ちよ♪」


「「「安藤くん、メリークリスマス♪」」」


「皆、ありがとう! 結構小さい袋だね? 一体、何が入って――」


(……んん? 袋の中身は……栄養ドリンクが三本だけ? え……ナニコレ?)


「ウフフ♪ 私達何をプレゼントしたら安藤くんが喜ぶかとても考えたのよ♪」

「それで、あたし達『三人みんな』が安藤くんを『好き』だって伝えるのに大事なのは『物』じゃなくて『気持ち』をプレゼントすることだって話になったんだよねー♪」

「クフフ……だから、クリスマスプレゼントはわたし達……『三人みんな』よ♪」


「「「そういうわけで……メリークリスマスいただきます♪」」」


「え!? ちょ! 三人とも待――っ! う、うわぁああああああああああ!」


(どうやら――、


 今年のクリスマスイブも長くなりそうだ……)



 メリークリスマス♪スカーン……




 『何故かの』(大学生編)ハーレムルート「みんなの安藤くんEND」おわり





*行き場のないどうしようもない気持ちをぶつけたい人はコメント欄に


『山田ぁああああああああああああああ!!』


 と、書き込んでスッキリしましょう♪

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る