第355話 大学生編「委員長ルート(後編)」
カランコロ~ン♪
「委員長お義姉ちゃーん♪」
「あら、妹ちゃんも来たみたいね♪」
「タイミングバッチリだねー♪」
「朝倉さん、貴方妹ちゃんも呼んでいたのね……」
「ええ、この前『偶然会って』三人で久しぶりに会うことを伝えたら来たいっていうものだから♪」
「そう、なら仕方ないわね……」
「朝倉先輩と、桃井先輩もお久しぶりです♪」
「ええ、妹ちゃんも元気そうでなによりだわ♪」
「妹ちゃん、久しぶりだねー♪」
「…………」 じー
(朝倉さん、さっき妹ちゃんと『偶然会った』って言ってたのに『久しぶり』っておかしくないかしら? やっぱり、ハメられた気がするわね……)
(ウフフ♪ さぁ、委員長……。今日は久しぶりにあった分、委員長の恋バナをたっぷり聞かせてもらうわよ?)
「委員長お義姉ちゃんも久しぶりです♪ 前に会ったのって……夏休みの終わりくらいでしたっけ?」
「そうね。だから、三ヶ月振りくらいかしらね」
「あら、二人とも会うのは久しぶりなのね?」
「なんか、もっと頻繁に会っていると思ったのにねー?」
「それが、意外と大学の授業が忙しくてなかなか時間が作れないんですよね」
「そう言えば、妹ちゃんは少し遠い大学に進学したのよね」
「しかも、一年生だと最初は取らなきゃいけない授業が多いし大変だもんねー」
「そうなんですよ! もう、後期の単位とか取らないといけないのが多くて……」
「クフフ……妹ちゃん、焦らなくても大丈夫よ♪ だって、貴方のお兄さんでさえ大学生をやっていけているんですもの。妹の貴方ができないわけないわ」
「アハハ! そうですよね。委員長お義姉ちゃん、ありがとうございます♪」
(やっぱり、委員長お義姉ちゃんはウチの駄兄ちゃんと違って頼りになるにゃ♪ はぁ、早く本当のお義姉ちゃんになって――)
「あ、そういえば! 委員長お義姉ちゃん、赤ちゃんは元気ですか?」
「ええ、とっても元気よ♪」
「「あ、赤ちゃん!?」」
((え! 委員長、いつの間に!?))
「いい、委員長……?」
「あ、赤ちゃんって……いつの間に生まれたのかなー?」
「え? いつって……つい先週のことだけど?」
「「つい先週!?」」
((そんな最近の出来事なの!?))
「委員長ってば、そんな大事なこと何で教えてくれなかったのよ!?」
「へ? ご、ゴメンなさい? でも、特に言う機会が無かったから……」
「委員長! そうかもしれないけど……でも、あたしとサクラくらいには相談してもいいんじゃないのかなー!?」
「え、そ、相談……? だけど、そんな悩むほどの事でもないんじゃないかしら……?」
「「既に覚悟が決まっている!?」」
「んん~?」 にゃピーン! ← 妹ちゃんが何かに気づいた音
(これはこれは……朝倉先輩と桃井先輩ってば、何か面白い勘違いをしているんじゃないのかにゃ~?)
「委員長お義姉ちゃんの『赤ちゃん』とっても可愛いですよぉ~♪」
「そ、そうなの……妹ちゃんはもう見たことあるのね……」
「ええ、写真を送ってもらったんで♪」
「た、確かに、妹ちゃんは家族だもんね……」
「クフフ♪ 写真ならまだスマホの中にデータが残っているけど、二人ともそんなに気になるなら見るかしら?」
「「凄く見たい!!」」
「そ、そんなに食いつくほどかしら……? まぁ、いいわ。これが先週生まれた赤ちゃんの写真よ♪」
「「ど、どれどれ……」」
(やっぱり、安藤くん似なのかしら……?)
(それとも、委員長似なのかなー?)
「「…………?」」 チラリ
「クフフ……どう、可愛い子猫でしょう♪」
((――って、猫かぁあああああああああああああああああああい!!))
「なんだー! 赤ちゃんって『猫ちゃん』のことだったんだねー♪」
「ふぅ……私ってば、てっきり委員長の『赤ちゃん』のことかと思っちゃったわよ……」
((まったく、紛らわしいんだから……))
「ブハッ! は、はぁあああああああ!? ふふ、二人とも何を言っているのかしら!? わ、わたしの赤ちゃんって……そそ、そんなわけないでしょう!?」
(大体、大学生で『赤ちゃん』とか早すぎるにもほどがあるわよ!)
「「だ、だよねー♪」」
((一瞬、委員長に結婚まで先を越されたのかと焦った……))
「にゃはは♪ 二人ともお兄ちゃんにそんな度胸があるわけないじゃないですかぁ~? だって、あの『駄兄ちゃん』ですよ? そんな度胸があればとっくに委員長お義姉ちゃんに責任を取らされてますよ♪」
「ウフフ♪ 言われてみればそうね」
「うん、確かに安藤くんにそんな度胸があるようには見えないよねー♪」
((確かに、考えすぎ――))
「え、ええ……そそ、そうね……」
「「「――ッ!?」」」
(((あ、あれ? この反応は、もしかして……)))
「そ、そもそも……あの男は三年以上も付き合っているのに『自覚』がなさすぎるのよ! 最近は大学とバイトが忙しいからってロクにデートだってしていないのよ!? 休日はお金を使いたくないからって、アパートの部屋で本を読んでイチャ――じゃなくてダラダラするだけだし……もう直ぐ『クリスマス』だって言うのにその予定すら何にも相談が無いってどういうことなのかしら!」
「委員長お義姉ちゃん、ウチの駄兄ちゃんが本当にすみません……」
(だけど、さりげなくイチャイチャしてるって言いそうになりませんでしたかにゃ……?)
「アハハ……委員長も大変だねー?」
「確かに、クリスマスの予定くらいはちゃんと考えて欲しいわよね」
「ええ、本当に朝倉さんの言う通りよ……」
そんな委員長が表紙を飾る『何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが?』第四巻は本日11月25日発売~♪ ← 電話の着信音です
「あら、噂をすればちょうど安藤くんから電話だわ……。少し、失礼するわね?」
「ええ、委員長。私達は気にしないでいいから、電話に出て頂戴♪」
「朝倉さん、ありがとう。
……もしもし、安藤くん? 急に電話なんかして何かしら?」
(まったく、この男はタイミングが悪いんだから……)
「……え? ええ、いいけど……でも、お金は? へ!? そ、そうなのね……。わ、わかったわ……。うん、ありがとう……。うん、じゃあ、また後でね……? うん……た、楽しみにしてるわ……」
「「「――!!」」」 ピキーン!
(((……んんん~??? 何か委員長の様子がおかしいぞぉ~???)))
「し、失礼したわね……」
「ええ、それは良いんだけど~」
「ねぇ、委員長? 今のはどんな電話だったのかなぁー?」
「確か、お兄ちゃんから電話だって言ってましたよねぇ~♪」
「ふぇ!? そ、それは……」
「「「そ・れ・は~???」」」
「えっと、その……あ、安藤くんがもう直ぐクリスマスだから……お、温泉にでも行かないかって……なんだかラノベの聖地になった露天風呂が有名な温泉があるとかで……」
「あら? でも、さっきの委員長の話だとあまり贅沢できる余裕は無いんじゃなかったのかしら?」
「それが……何か、バイトを沢山してたのもこの温泉資金を稼ぐためだったみたいなのよね……」
「「「へぇー、温泉ねぇ~?」」」 ニヤニヤ
「な、何よ!! 言いたいことがあるなら言えばいいでしょう!?」
「「「べっつにぃ~?」」」
(((でも、温泉ねぇ……?)))
「ウフフ♪ それで、委員長はどうするのかしら?」
「それは、もちろん……せっかく、安藤くんが準備してくれたんだし仕方ないから、行くしかないでしょう……」
「「「仕方ないからねぇ~? どうぞ、お幸せに~♪」」」 ニヤニヤ
「ええ! 幸せよ! 幸せで悪かったわね!?」
(ま、まったく! 本当に、安藤くんはタイミングが悪いんだから!!)
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう。委員長よ♪
ついに、待ちに待った『何故かの』4巻の発売日がやって来たわね♪ 『委員長が表紙の4巻買いました!』などの購入報告や『委員長可愛い!』『委員長好き!』とかの感想をコメント欄やツイッターでつぶやいてくれると作者が死ぬほど喜ぶから、是非、つぶやいてあげてね♪
でも、まだ読んでない人もいると思うから感想をつぶやく時はネタバレにだけ気を付けてくれると嬉しいわ。特に、書籍しか読んでない人もいると思うから、姉ヶ崎姉妹関係の感想を書く時は『後輩ちゃん』や『姉ヶ崎先輩』呼びにしてくれると嬉しいわ。
クフフ……。皆の感想、購入報告待ってるわ♪
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回 4巻発売おまけ小説「委員長の部屋」よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。
皆、出す手は決まったかしら? 今日も気分は『グー』のつもりよ♪
ペタペタ・ペタりん♪
じゃん・けん・ポン♪」
やっぱり、チョキ……でも、グーかも……?
【グー】
「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます