第353話『何故かの』一年生編「春」


(春ね……。まだ、高校に入学したばかりだから、図書室に来る一年生もそう多くはないのだけど……)


「何で、安藤くんは一年生なのに毎日図書室に顔を出しているのかしら? 貴方、図書室の皆勤賞でも狙っているの……?」

「え、図書室を利用するのに一年生とか学年が関係あるの? あと、図書室の皆勤賞って何かもらえるの!?」


(俺、凄く気になります!)


「図書室を皆勤賞しても、もらえるのは『年中ぼっち』という称号だけよ。あと、別に図書室を利用するのに学年は関係ないけど、わたしが言いたのは図書室に来るより、もっと『するべきこと』があるんじゃないの? と言うことよ……」

「するべきこと……? そうか、新しいラノベの発掘か!」

「『友達を作れ』って、言っているのよ……。この『年中ラノベぼっち』が……」

「まだ、皆勤賞取ってないのに称号貰っちゃったんだけど!?」


(しかも、何か変な単語が付属されているし!)


「そんなことを言ったら、委員長だっていつも図書室にいるじゃねぇかよ」

「わたしは図書委員なんだから、いて当たり前でしょう……」

「そんなこと言って、本当は友達いないの誤魔化すためじゃないの~?」

「安藤くんじゃないんだから、そんな理由で図書委員になるわけないでしょ……」

「見くびらないでいただきたい。委員長、俺は友達がいなくても『隠さない』主義だ!」

「はぁ……」


(確かにそうだけど、ドヤ顔で言えることじゃないのよねぇ……)


「そもそも、俺は『誰かさん』みたいに無理して人間関係を作るくらいなら、友達なんていらない主義だからな」

「あら、それは『わたし』のことを言っているのかしら……?」

「別に? ただ、俺は皆がやりたがらない『クラス委員』や『図書委員』を積極的に引き受けてまでクラスの人気を取りたいとは思わないってだけだよ」

「完全にわたしのことじゃないのよ……」


(まぁ『図書委員』に関しては人気取りじゃなくて『誰かさん』が一緒に立候補すると思ったから、立候補したのだけどね……)


「安藤くん。自分が『役に立つ人間』と言うのをアピールするのは人間関係においてとっても重要なことなのよ?」

「損得で他人を図るような人間関係なんて『友達』とは言わないんじゃねぇの……?」

「ハッ! 安藤くんは素の自分をさらけ出せる相手としか『友達』になれないと言うのかしら? まさしく『ぼっち』まっしぐらの考えね♪」

「ほっとけ……。元々、俺は愛想振りまいて、他人と話すのが好きじゃないんだよ」

「ふーん。でも、その割には図書室でわたしとよく話すじゃないの?」

「まぁ、委員長は……俺がこの学校で無理しないでも話せる唯一の相手だからなぁ……」

「そ、そうなのね……」


(そ、それって……わたしが唯一の『素の自分をさらけ出せる相手』と言う意味よね……)


「…………?」


(委員長の奴、何で顔が赤いんだ……?)

 




【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう。委員長よ♪


 ついに『何故かの』4巻の発売まであと一週間になったわね。皆、予約のはもう済んだかしら?

 既に、各店舗特典の情報も公開されているから、これから買う人はチェックしてね♪」



【店舗特典】

・アニメイト様

私服姿の委員長のイラストシート


・ゲーマーズ様 

書き下ろしSS入り4Pブックレット【『何故かの』一年生編「夏」】


・メロンブックス様

SSリーフレット【『何故かの』一年生編「秋」】


・電子書籍

書き下ろしSS【『何故かの』一年生編「冬」】


*画像はこちら↓

ttps://twitter.com/MF_bunkoJ/status/1194170465960550401



「クフフ……因みに上記の店舗特典にある特別SSは今回の『何故かの』一年生編の続きになっているわ♪


 もちろん、それぞれの特別SSだけの話を読んでも楽しめる内容になっているけど、それぞれのSS「春」「夏」「秋」「冬」をわたしと安藤くんの一年間が分かる特別なSSになっているわ。


 興味がある人は是非、揃えてみてね♪


 さーて、次回の『何故かの』は♪」


次回 『何故かの』大学生編「委員長ルート」 よろしくお願いします!



「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。

 皆、出す手は決まったかしら? 今日は『グー』を出すかもしれないわよ……?


 ペタペタ・ペタりん♪


   じゃん・けん・ポン♪」 






 やっぱり、パーかも……?





















【グー】



「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」


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