第351話 委員長ルート「下着」


「いらっしゃいませー」



「…………」


(大型ショッピングモールなんて、普段のわたしならあまり縁のない場所だけど……今日はこのショッピングモールの中にある『とあるお店』が目当てなのよね……)


「ついに来てしまったわね……女性物下着専門店……」


(普段ならこんな大人の女性が入るようなランジェリーショップなんて死んでも来ないのだけど――、


「む、胸を触りたいって言うのなら、まだ早いわよ……!?」

「ちげぇよ! 手だよ『手』! 委員長が言ったんだろ……」

 

「そう言えば、委員長。さっき『まだ早い』って――」

「さぁ、安藤くん! 下校時間はとっくに過ぎているわよ!」


 や、やっぱり……そろそろ『そういうこと』にも準備しておいた方が良いわよね?)


「べ、別に! そう言う目的『だけ』でこういうお店に来たわけじゃなくて……そう!  純粋にわたしも女性として下着にもオシャレをしておかないといけないと思ったのよ!」


(――って、わたしは一体誰に言い訳しているのかしら……)


「いらっしゃいませー」


(はぁ~、この世の地球上にいる彼氏持ちの女全員爆発しないかなぁー♪)


「…………」 ブルブル……


(何かしら? 何か急に悪寒が……)


「とりあえず、どんな下着があるのか見ていきましょうか……」


(やっぱり、こういうお店の方が可愛い下着が多いわね……。特にブラはサイズの問題もあって可愛いのが少なくて困っていたのよね。ん? こ、これは――)


「ちょっと、これ凄いわね……。黒くて全体的にセクシーだけど……パンツとかもう『ヒモ』よね? これ……」


(こういうお店になると『可愛い』だけじゃなくて『セクシーな下着』もあるのね……)


「もし、わたしがこういうのを付けたら、安藤くんは――」


「あら? もしかして、そこにいるのは委員長かしら……?」

「あー! 本当だねー♪」


(――――ッ!?)


「ふぇ!? あ、朝倉さん!? それに、桃井さんまで!? 何で二人がここに……?」

「ウフフ♪ 今日はモモと二人でショッピングに来たのよ♪ このショッピングモールならいろんなお店があるから見てて飽きないのよね♪」

「委員長、ヤッホー! こんな所で会うなんて偶然だねー♪」

「え、ええ……確かに、こんな所で会うなんて偶然ね……」


(し、しまったわ……。わたしとしたことが買うつもりなんて本当にまったく無かったのに、朝倉さんの声にビックリしてさっきの『下着』をうっかり背中に隠してしまったわ……。安藤くんとわたしが付き合っていることはこの二人にはバレているわけで……もし、この下着を持っていることが二人にバレたら何を言われるか……)


「ところで、委員長はこのお店にいるってことは下着を買いに来たのかなー?」

「え、ええ……最近少しサイズが合わなくなってきたら新しいのをね……?」

「へ、へぇ……さ、サイズがね……」 スカーン……

「あ、分かる―! サイズが大きいと、中々可愛いのが売ってないんだよねー♪」 メロ~ン♪ ← サイズが大きくて困る人の擬音

「そ、そうなのよ! こういうお店じゃないと、良いデザインが売っていないのよ!」 『何故かの』4巻発売まであと2週間~♪ ← いろいろ困っている人の擬音

「そ、そうなのね……」 スカーン…… ← 哀れ


(わ、私だって……まだ第二、第三の成長期を残している可能性だってあるはずよ!

 そうよ! あと一年もしたら、モモや委員長のこの会話にも参加できるほど成長している可能性だってあるかもしれないわよね!? とりあえず、ここは何故か分が悪い気がするから、話題を変えさせた方が良いわね……)


「ち、因みに……委員長はどんな下着を選んだのかしら……? ウフフ♪」

「え!? そ、それが~……ま、まだ選べてないのよねぇ……」

「あら、そうなのね?」

「ええ、そうなのよ! だから、朝倉さんと桃井さんはわたしのことなんか気にせずにショッピングの続きを楽しんでくれるかしら……?」

「ふーん……。そうなんだねー?」


(でも、その割には……委員長の手がずっと背中に隠れているのが気になるんだよねー?)


「あ! あんなところに安藤くんが!」

「はぁ!?」


(ちょ、あの男ってば、何でこんなタイミングの悪い時に――)


「てりゃ! 委員長、引っかかったねー♪」


(その隙に委員長が手に隠し持っていた下着をゲットだよー♪)


「え……って、も、桃井さん!? 待って――」

「さて、委員長は一体どんな下着を――って、うぉ! 委員長ってば意外と大胆だね……」

「どれどれ? モモ、私にも見せ――って、あらあら……意外と派手でセクシー黒の……」

「きゃぁああああああああああああああああああああああああああああああ――ッ!?

 ふ、二人とも違うのよ! こ、これは……見てただけで……」

「さ、サクラ……聞いたかなー?『見てただけ』ってことはつまり購入するか検討していたってことだよねー? この『ヒモ状』のを……」

「ええ、つまり……そ、そういうこと……よね? 流石、彼氏持ちの委員長は違うわ……」


「「どうやら、とっても『順調』なようで……」」



「だから、違うのよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」



(結局、この後……。開き直ったわたしはこの下着を買うことにした……)






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう。4巻で栄光を手にする予定の委員長よ♪


 ちょっと待ちなさい! そこ『委員長の活躍もあと二週間の命か……』とか言った奴前で出なさい! まるで、4巻が発売したらわたしの出番が一切消えるみたいな発言は止めてくれるかしら!? わ、わたし……消えたりしないわよね?


 さ、さーて、次回の『何故かの』は♪」


次回 委員長ルート「サイズ問題」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。

 皆、出す手は決まったかしら? 今日は『グー』を出すかもしれないわよ……?


 ペタペタ・ペタりん♪


   じゃん・けん・ポン♪」 



























【パー】



「クフフ……次回は久しぶりに『あの人気キャラ』が出るわよ♪

 皆のコメント、評価、待ってるわね♪」

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