第347話 一年生編「連絡先(前編)」


(高校生になってもう直ぐ一ヵ月……皆もクラスには慣れてきたころだけど――)


「一ヵ月経っても、安藤くんは『ぼっち』のままなのね……」

「なんか放課後に図書室でラノベ読んでただけなのに、いきなり罵倒されたんだけど!?」

「罵倒じゃないわよ。安藤くんがいつまで経っても『ぼっち』のままだから、心配してあっげているんじゃない?」

「余計なお世話なんだよなぁ……」


(委員長の奴って、俺が図書室でラノベを読んでいると定期的に友達いないのを心配してくるけど、何? 委員長は俺の母親かなにかなの?)


「そもそも、安藤くんは今週末に何があるか知らないのかしら?」

「今週末……?」


(なんかあったっけ? うーん、今週末と言えば――)


「そうだ! MF文庫Jの発売日――」

「クラスの親睦会の日よ。このラノベぼっちバカが……」

「委員長って見た目の割に口悪いよね」

「わたしの口が悪くなるのは安藤くんだけだから、安心していいわよ? クフフ……♪」

「その言葉、別に全然嬉しくはないんだよなぁ……」


(しかし、クラスの親睦会ねぇ……)


「俺、そんなのがあるって聞いたの初耳なんだけど?」

「一応、親睦会の連絡はクラスのグループで回っているはずなのだけど……安藤くん、貴方誰かと連絡先は交換しているのかしら?」

「おいおい、委員長……流石に俺を舐め過ぎじゃないのか?」

「そ、そうよね……」


(いくら、安藤くんでも流石に一ヵ月もすれば誰かと連絡先の交換くらい――)


「ぼっちの俺が誰かと連絡先とか交換できると思うか?」

「到底無理なことだったわね……」


(あれ? そう言えば、わたしも安藤くんの連絡先はまだ知らなかったわね……)


「ねぇ、安藤くん」

「委員長、何だ?」

「貴方の連絡先――」


(――ん? ちょっと、待ちなさい。わたしの方から安藤くんに連絡先を聞くのって……なんか負けた感じにならないかしら? いや、別に……何に『負ける』のかは分からないのけど……でも、ここで『わたしから』連絡先を聞いてしまうと、これから――、


『でも、俺の連絡先を聞いたのは委員長の方だけどな? いや、別に俺は委員長の連絡先なんか知らなくても良かったんだけど、あの時に委員長がどうしても俺の連絡先が知りたいって言うからさぁ~?』 ← 何処かのIFルートの安藤くん


 ……みたいな感じで、この男と喧嘩をするたびに弄られる危険があるわね。だとしたら、わたしの方から安藤くんの連絡先を聞くなんて失態は絶対に避けるべきね。

 むしろ、ここはわたしが安藤くんにわたしの連絡先を聞くようにさせて――、


『クフフ……でも、わたしの連絡先を聞いのは安藤くんよね? 別にわたしは安藤くんの連絡先なんか知りたくも無かったのだけど、あの時に安藤くんがどうしてもわたしの連絡先を知りたいって言うから仕方なく、連絡先を交換してあげたのよ♪』


 ――と、マウントを取ることができるわね……)


「…………」

「おい、委員長。急に黙ってどうしたんだよ?」

「あぁ、ゴメンなさい。ただ、貴方の連絡先って……この先、一生誰も友達が増えないまま終わりそうね。って言いたかっただけよ」

「何かと思って聞いてやったら、普通にただの罵倒だと!?」


(急に黙るから、何か言いづらいことでもあるのかと思ったら、俺を罵倒するセリフのチョイスを悩んでいただけかよ……。こいつ、どんだけ俺のこと嫌いなの?)


「そうなりたくないのなら、少しは連絡先を増やす努力でもしたらどうなのかしら?

 ……クフフ♪」


(目の前にいるわたしなら、比較的簡単に連絡先が手に入るかもしれないわよ?)


「連絡先ねぇ……」


(そう言えば、俺って委員長の連絡先も知らないんだよなぁ……)


「でも……やっぱり、必要ないかな」

「……は? 安藤くん、それはどういうことかしら? 今回みたいな親睦会の件もあるし、流石に連絡先がないと不便でしょう?」


(安藤くん、それってわたしの連絡先も必要ないって意味かしら――)


「いや……だって、俺には委員長がいるから、図書室に来ればそういう情報は集まるだろ? なら、今更他人の連絡先なんか集める必要も無いかなって……」


(それに、委員長とは図書室でいつも会っているから、わざわざ連絡先を聞く必要もないだろうしな……)


「そ、そう……」


(お『俺には委員長がいるから』って……別に、わたしは安藤くんのものでは無いのだけど……本当に、安藤くんってデリカシーがないんだから……)





【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう。4巻できっと! 必ず! 表紙を飾るはずの委員長よ♪

 さーて、次回の『何故かの』は♪」


次回「連絡先(後編)」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。

 皆、出す手は決まったかしら? 今日は『チョキ』を出すかもしれないわよ……?


 ペタペタ・ペタりん♪


   じゃん・けん・ポン♪」 



























【グー】



「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」





*【コメントについてのお願い】


いつも『何故かの』を応援していただきありがとうございます。


今回はコメントについてお話したいことがありましたので、こちらでコメントについての方針を書かせていただきます。


『何故かの』は読者の皆にコメント欄も含めて楽しんでいただける作品にしたいと思っています。


なので、できる限りコメントの削除、またはブロックはしない方針でした。


しかし、新しく読んでくれるようになった方の中でまれに一定ラインを超えるコメントをする方がいます。


誤字の報告、過度な下ネタ、山田いじり、どんなコメントでも『何故かの』は大歓迎です!!


ですが、他者を嘲笑、愚弄したり貶めるようなコメントはNGです。


最初にも書きましたが『何故かの』はコメント欄も含めて読者の皆に楽しんでいただけるような作品したいと思っております。


コメント書く際は『自分だけが楽しいコメント』になっていないか気を付けていただけると幸いです。


ですので、今後上記のような他者が不快に思われるようなコメントは削除、またはブロックさせていただきます。


本当は『何故かの』を楽しんでくれた方のコメントを削除するなんてことはしたくないですし、申し訳なく思います。ですが、より皆が『何故かの』を楽しめるように今回のことを報告させていただきました。


どうか、ご理解ご協力をお願いします。



*このお願いはこれから来る新規の方も読んでくれるように80話にも同じ内容を書いてあります。主に新規の読者の方へのお願いです。ですので普段からコメントをくれる方は問題ないのでいつも通り「山田ぁあああああああああああああ!」とコメントしてくれると嬉しいです♪


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