第346話 一年生編「学食の痴話喧嘩」
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(さーて、いつもの昼休み。いつも通り学食に食べに来たわけだが……)
「おう、委員長も今日は学食なのか?」
「あら、やけに覇気の無いナンパかと思ったら、安藤くんじゃない?」
「今のをナンパと勘違いするって委員長大丈夫? 欲求不満?」
「セクハラで訴えるわよ。このデリカシー無い男……」
「デリカシー無い男!?」
(何その斬新なあだ名!?)
「そんなあだ名、妹にさえつけられたことねぇぞ」
「その返しでお家での安藤くんの扱いが分かるのが悲しいわね……」
(妹さんの話って、安藤くんと話しているとちょくちょく出て来るけど、安藤くんが妹さんの尻に引かれているイメージしかないのよね。一体どんな子なのかしら?)
「わたしは今日が好きな定食がやっている日だから学食にしたのよ。そんな安藤くんの方こそ、今日はごはん食べるのね?」
「俺がいつもは飯を食わないみたいな前提やめてくれる? 別に、断食しているなんて情報は無いからね?」
「あら、ゴメンなさい? クフフ……♪」
「てか、何でこんな所で喋ってなきゃいけないんだよ。俺は飯を食いに来たんだ。委員長、さっさと注文しないと昼休みが終るぞ」
「え? ちょ、ちょっと、安藤くん!」
(な、何で……自然にわたしと安藤くんが一緒に学食で食べるみたいな流れになっているのよ……。もう!)
「へいらっしゃい。お二人さん、注文は何だい?」
「「サバ定食、納豆付きで」」
「はいよ……」
(この二人の学生さん、仲良いな……)
「ちょっと、安藤くん……わたしの真似しないでくれるかしら?」
「はぁ? 委員長、それは俺のセリフなんだけど?」
「「あぁん!?」」
「…………」
(あ、やっぱり仲悪いのか……?)
「……サバは塩焼きと味噌煮に二種類あるけど、どっちだい?」
「「塩焼きで!」」
「はいよ……」
(いや、息ピッタリじゃねぇか……)
「だから、安藤くん。さっきからわたしの注文の真似をするの止めてくれるかしら?」
「はぁ? 真似をしているのは委員長の方だろ? だって、さっきの注文は明らかに俺の方がコンマ一秒早かったからな!」
「何を言っているのっかしら? わたしの方が早かったに決まっているじゃない。何故なら、わたしは今日この定食を食べるために学食を利用しているのよ?」
「俺だって、そうですぅ~!」
「「あぁん!?」」
「…………」
(いや、二人とも同時だったぞ? おじさん聞いている限りそんな明確な差なかったからね? むしろ、さっきのメンチ切っている声も同時だったまであるからね?)
「はっ! 委員長は俺がどれだけ『塩』を愛しているのか知らないようだな。いいか? 俺は焼き鳥で言えば必ず『塩』派! そして、肉においても味付けは塩コショウがだけで十分! さらには、刺身だって『塩』で食べる派だからな!!」
「ハッ! 言うじゃない? だけど、安藤くん。塩を愛しているのが自分だけと思ったら大間違いよ? わたしだって焼き鳥は『塩』派だし、お肉だって塩コショウ……むしろ『塩』だけでいけるわね。それに、お刺身に『塩』を付けるのはわたしだって同じよ♪ 真似しないでくれるかしら?」
「真似しているのは委員長の方だろ!」
「何ですって!?」
「「あぁん!?」」
「サバの塩焼き定食、納豆付き二つお待たせ……」
(いや、何でケンカしているの!? 好みが合うね。で、いいじゃん! むしろ、普通の男女ならちょっとした恋のきっかけになりそうなほど、二人の好みピッタリじゃん!)
「安藤くん。とりあえず、料理ができちゃったから、続きは向こうのテーブルでするわよ」
「じゃあ、俺はあっちで二人分の水持ってくるから」
「じゃあ、わたしは先に席を確保しておくわね」
「おう、よろしく」
(あれ? てか、俺と委員長っていつの間に一緒に飯食う流れになったんだ? まぁ、いいか……)
「委員長、お待たせ。ほい、水」
「安藤くん、ありがとう」
(しかし、わたしが学食で食べようとすると、なんだかんだで毎回この男と一緒に食べる羽目になるのよね……)
(しかし、たまには学食で食べようとすると、なんだかんだで毎回コイツと一緒に食べる羽目になるんだよなぁ……)
「「いただきます」」
(まぁ、この男となら、気を使わないから楽でいいわね……)
(まぁ、この女となら、気を使わないから楽でいいか……)
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう。4巻で表紙を飾るはずの委員長よ♪
さーて、次回の『何故かの』は♪」
次回「連絡先」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。
皆、出す手は決まったかしら? 今日は『パー』を出すかもしれないわよ……?
ペタペタ・ペタりん♪
じゃん・けん・ポン♪」
【チョキ】
「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」
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