第337話「プレゼント(意味深)」
メリークリスマス~♪ ← チャイムの音だね♪
「あ、朝倉さん……いらっしゃい!」
「あ、安藤くん……お邪魔するわね」
(今日は待ちに待った安藤くんとのクリスマスイブ……そして、私の誕生日! 当初の予定では、安藤くんの妹ちゃんを入れて三人でクリスマスパーティーをするって予定だったのだけど……)
「それにしても、今日は二人だけになってゴメンね? なんか、妹の奴が急に姉ヶ崎妹の家のクリスマスパーティーに参加するとか言い出してさ……」
(まったく、妹の奴も直前になって――)
「あ、お兄ちゃん。そう言えば、私クリスマスイブは友達の家に行くことになったから、24日はお兄ちゃんとサクラお義姉ちゃんだけで楽しんでね」
「はぁあ!? ちょ、妹! そ、それって……まさか、男の家じゃないだろうな……?」
「お兄ちゃんのバーカ。行くのは姉ヶ崎さんの家のクリスマスパーティーだよ。嘘だと思うなら姉ヶ崎さんに聞いてみれば?」
「なんだ。姉ヶ崎妹の家か……てか、何で急にそんなことになってるの?」
(お前らって仲悪くなかったっけ……?)
(そもそもの原因はお兄ちゃんだからね? まったく、何で私がお兄ちゃんのしりぬぐいで、あの
「とにかく、私がいない分! クリスマスイブはサクラお義姉ちゃんを楽しませてあげること! あと……二人っきりだからって変なことはメッ! だからね……?」
(――って、感じで言い出すんだもんなぁ……。これじゃあ、俺がクリスマスイブにワザと家族を追い出して、彼女と二人っきりの状況を作り出したみたいじゃね……?)
「えーと……た、確か、今日は安藤くんのご両親もお家にはいらっしゃらないのよね?」
「うん……恥ずかしいことに、二人で昨日から二泊三日の沖縄旅行に行ってるね……」
(しかも、旅費は母さん持ちでな……)
「えーと、相変わらず仲がいいご両親なのね? ……ウフフ♪」
「う、うん。そうだね……」
(やばい! このままだと本格的に俺が親も妹もいない日に朝倉さんを呼んだみたいになってしまう! しかし、今までも俺や朝倉さんの家で二人っきりという状況は多々あったはず……。ただ、今日はそれが『クリスマスイブ』で『朝倉さんの誕生日』で、さらに『サプライズプレゼントを用意してる』ってだけ……よし、何も勘違いされるようなことは無いな!)
(安藤くんてば……どうやら家に誰もいない状況で、私を呼んだから緊張しているみたいね。でも、大丈夫よ! 私は分かっているわ……。だって、今までも私や安藤くんの家で二人っきりという状況は多々あったもの……。ただ、今日はそれが『クリスマスイブ』で『私の誕生日』で、さらに『きっと、安藤くんがサプライズプレゼントを用意しくれている(妹ちゃん調べ)』ってだけ……つまり、安藤くんが『プレゼント(意味深)』ってことよね!)
「じゃあ……と、とりあえず、俺の部屋に行く?」
「ふぇ『もう』なの!?」
「『もう』!?」
(ちょ、待って! 朝倉さん、その『もう』って何を勘違いしているの!?)
(そそ、そんな! 安藤くんてば、いくら何でもその速さでプレゼントは……さ、サプラァ~ズ! が過ぎるんじゃないかしら!?)
「あ、朝倉さん……何か勘違いしてないかな? まだ、ケーキを食べる時間でもないから俺の部屋でラノベでも読もうって意味だからね?」
「あ……ああ! そ、そうよね! も、もちろん分かっていたわよ!?」
(ふぅ……そうよね『まだ』そんな時間じゃないものね……。大丈夫! 安藤くん、私はちゃんと分かっているわ!) ←分かってない
(ふぅ、良かった。一瞬、変な意味で勘違いされたらどうしようと思ったよ。朝倉さんも、なんとか俺の言いたいことを分かってくれたみたいだな……) ←分かってない
「それじゃあ、朝倉さん。まずは俺の部屋に行こうか?」
「そ、そうね。安藤くん!」
(あ! でも、ちょっと待って……)
「あ、安藤くん。そのぉ……」
「朝倉さん、何かな?」
「えっと……先にシャワーをしてもいいかしら?」
「何で!?」
「えええ!? だ、だって……き、緊張で汗をかいちゃったから……流したいじゃない?」
「あ、あぁ……そうか。緊張でね……。因みに、朝倉さん。今から俺の部屋に行くのはただ『ラノベを読む』だけだからね? 別に、俺はリビングの方でも(ラノベを読むのは)構わないからね?」
「え、えっぇええ!? り、リビングの方でも(意味深)構わない……の? でも、安藤くんがそう言うのなら……やっぱり、汗を流したいから先にシャワーを借りてもいいからしら……」
「んんんッ!? ま、まぁ……汗を流すだけだもね? 別に、それ以外の意味なんてないもんね? あはは……」
(『先に』って何だ!? ちょっと、待て……『後に』でも『先に』でも彼氏の家に来て『シャワーを借りる』って予定があるのはおかしくないですかねぇ……。いやいや、朝倉さんは汗を流すだけって言ってたしそれ以外の深い意味は無いはず……。大丈夫! 俺は勘違いなんてしてない! 分かってる。分かってる……) ←分かってない
(もう、安藤くんてばリビングなんて、大胆なんだから……でも、流石の私でもそれは『緊張』してしちゃうわよ……。大丈夫! 安藤くん、私はちゃんと分かっているわ。確かに今は『まだ』ラノベを読むだけよね? でも、流石にその……じゅ、準備だけはちゃんとしておきたいと言うか……大丈夫! 私はちゃんと安藤くんのサプライズプレゼント(意味深)を分かっているわ!) ←分かってない
「そ、そうよ! べ、別に……それ以外の意味なんて無いんだからね!」
「う、うん! そ、そうだね……?」
「あはは……」 ←分かってない
「ウフフ……」 ←分かってない
((大丈夫……分かっているから!)) ←分かってない
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう。きっと、4巻で表紙を飾る委員長よ♪
さーて、次回の『何故かの』は♪」
次回「ホワイトクリスマス」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。
皆、出す手は決まったかしら? わたしはいつも通り『グー』を出すかもしれないわよ……?
ペタペタ・ペタりん♪
じゃん・けん・ポン♪」
【グー】
「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」
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