第334話「年下の彼女」


「センパイってば、まだかなぁ~?」


(今日はセンパイとの初めてのデート……。もう、センパイってば年上のくせに彼女を待たせるなんて! でも、そんな所もセンパイらしいですけどねキャピ!


「おーい! 姉ヶ崎妹~」


(あ……やっと来た!)


「センパイ~! もう、遅いですよキャピ! こんな可愛い彼女とのデートなのに彼氏が遅刻するってどういうことですか!」

「悪い悪い……。てか、遅刻とか言ってもたかが五分くらいだろ?」

「五分でも、遅刻は遅刻ですよ! もう、センパイてばマイナス10点です!」

「五分遅刻しただけで減点するの早くね……? その減点はどうすれば取り返せるんですかねぇ……?」

「うーん、そうですねぇ~、じゃあ……あ、頭撫でてください……キャピ!

「あ、頭……?」

「か、勘違いしないでくださいね!? これは、センパイを健気に待っていた彼女へのご褒美として頭をなでるべきということでして……決して、アタシがただ褒めて欲しいというわけじゃないですから!」

「はいはい……わかったわかった。とりあえず、頭を撫でればいいんだろ?」


(まぁ、頭を撫でるくらいならな……)


「…………」 さわさわ ← 安藤くんが頭を撫でる音

「えへへ……♪」キャピ!キャピ! ←姉ヶ崎妹が頭を撫でられる音


(もし、アタシにお姉ちゃんじゃなくて、お兄ちゃんがいたらこんな感じなのかな――)


「うにゃぁあああああああああああああああああああああああ! もう、二人でイチャイチャしすぎ!」


「うおぉ……! 妹、どうしたんだよ? 急に騒ぎ出して……」

「『どうしたんだよ?』じゃないよ! お兄ちゃん!! 私がいるの忘れてないよね!?」

「あれれぇ~? 安藤さん、もしかして……やきもち焼いてるんですかぁ~キャピ?

「にゃぁああ!? ちょっと、姉ヶ崎さん変なこと言わないでくれるかにゃ!? これは、やきもちとかじゃなくて……ウチのお兄ちゃんがサクラお義姉ちゃんって彼女がいるのに、浮気をしないか心配で監視してるだけなんだからね!」

「おい、ちょっと待て。妹よ! 浮気って何だよ!? これは、姉ヶ崎妹が俺がバイトをクビになったお詫びを何かしたいって言うから、朝倉さんへの誕生日プレゼントを一緒に選んでもらうだけだぞ!?」

「そうですよぉ~? まぁ、選ぶだけだとあれなので……どうせなら、疑似デートという形で、センパイがちゃんと朝倉センパイをエスコートできるかどうか、アタシが彼女役となってセンパイのデートを採点もしてあげているんですけどねぇ~キャピ!

「それが、不安だから妹の私が一緒について来たんでしょ!!」


(大体何で疑似デート何かする必要があるの! お兄ちゃんもお兄ちゃんだよ! 何でそんな姉ヶ崎さんの口車にホイホイのせられちゃうのかな!? 前々から思ってたけど、お兄ちゃんって姉ヶ崎さんになんか甘いよね!

 ま、まぁ……そんなお兄ちゃんでも? 私はお兄ちゃんの『妹』だから! そう『妹』だから、そんなダメなお兄ちゃんを監視するという『義務』があるんだよ! だからこれは『仕方なく!』そう、仕方なく私も監視役として一緒について来てるだけなんだよね♪)


「とにかく! この私がいるからには例え疑似デートと言っても過度なスキンシップは浮気と判断してサクラお義姉ちゃんに言いつけるからね!」

「ちょっとまて! 俺は悪くないだろ! だって、頭を撫でろって姉ヶ崎妹の方だぞ!?」

「はい、センパイ! 彼女に責任を擦り付けたのでマイナス10点ですキャピ!

「また減点!? てか、お前の採点方法って減点方式なの?」

「はい! 100点からの減点方式で、もしデート中に0点になった場合はアタシの好きなもの一つ買ってもらいますキャピ!

「普通はこういうのってか加点方式じゃないの?」

「だって、センパイって褒めるとこなさそうじゃないですかぁ~? なら、減点方式の方があっているかなーと?」

「酷い判断のされ方!?」

「因みに、今のセンパイの持ち点はマイナス20点されたので80点ですよぉ~キャピ!

「もう! お兄ちゃん、言ったそばからイチャイチャしてる!! 彼氏ポイントマイナス20点!」

「妹ぉおおおおおおおおお!? お前まで採点に入ってくるの!? てか、その『彼氏ポイント』ってなんだよ!?」

「こ、これは……浮気減点だよ! 減点方式で彼氏ポイントが0点になったら、サクラお義姉ちゃんにすべて報告します!」

「理不尽だぁああああああああああああああ!」





【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう。きっと、4巻で表紙を飾って、きっと、4巻でスポットが当たりまくって、きっと、4巻の挿絵もカラーとモノクロ両方で沢山のイラストを貰えて、きっと、4巻からメインヒロイン級の活躍をする予定の委員長よ♪

 さーて、次回の『何故かの』は♪」


次回「プレゼント選び」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。

 皆、出す手は決まったかしら? わたしはいつも通り『グー』を出すかもしれないわよ……?


 ペタペタ・ペタりん♪


   じゃん・けん・ポン♪」 



























【グー】



「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」

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