第316話「センパイと先輩」
テロリ~♪ テロリ~♪ テロリ~♪ ← ポテトが上がった音
「いらっしゃいませ~」
「マック!」
「えーと……ハンバーガーでしょうか?」
「マックはマックだろ!」
「すみませんが、メニューに載っている商品をご注文ください」
「センパイィ~!?」
テロリ~♪ テロリ~♪ テロリ~♪ ← ポテトが上がった音
「いらっしゃいませ~」
「コーヒー」
「アイスですか? ホットですか?」
「アイス!」
「サイズはいかがなさいますか?」
「S!」
「ガムシロップとミルクはお一つずつでよろしいでしょうか?」
「二個ずつに決まってるだろ! 分かりきったこと聞くな!」
「サト●レかな?」
「プッ……セ、センパイ!!」
テロリ~♪ テロリ~♪ テロリ~♪ ← ポテトが上がった音
「いらっしゃいませ~」
「……ビックリマックのセット一つ」
「ドリンクはいかがなさいますか?」
「セットって言ってるだろぉおおおおおおおおお!」
「ねぇ、姉ヶ崎妹。ここの客って、何で直ぐにキレるの?」
「セ~ン~パ~イ~!」
「「お疲れ様でした~」」
「もぉ~う、今日はセンパイの所為で大変でしたよ……」
「……そうか? まぁ、気にするな。失敗は誰にでもあるさ」
「それセンパイが言っていいセリフじゃないですからね!?」
(センパイがお客さんを煽るようなこと言うから、怒って帰っちゃうお客さんが多くて大変だったんですからね!)
「いや、でもさぁ……『店舗名を注文する奴』とか『思考を読み取れ』とか言う奴や『未知の飲み物を注文する奴』とか……あれ理不尽なの多くね?」
「接客ってそういうものなんですよぉ~? もう、今度店長がお店に来た時に怒られても知りませんからねぇ~
「いや、何で俺が怒られなければいけないんだよぉ……。むしろ、俺がバイト初日なのを分かっていて休んだ店長の責任じゃね?」
「なんて責任転換の仕方なんですか……。もう、センパイがそんな調子だと紹介したアタシまで文句を言われるんですからねぇ~?」
「え、そうなのか……?」
「当たり前じゃないですかぁ~!」
「マジか……」
(うーん、俺の所為で他人が勝手に怒るのは気にもならんが、姉ヶ崎妹に迷惑をかけるのは流石に悪い気がするな……)
「じゃあ、分かったよ。次からはなるべく我慢してやるよ」
「はぁ~、このセンパイは何で上から目線なんですかねぇ~?」
「あ、でも『我慢』ができなかったら……その時はゴメンな?」
「しかも、この感じは我慢する気ゼロですね!?」
(だって、センパイって『我慢』とか絶対に苦手そうですし……)
「しかし、考えてみると……今まであんな客の相手を姉ヶ崎妹がしていたってことだよな? しかも、生徒会をやりながら」
「まぁ、バイトですからねぇ~? それに、今日センパイが相手したようなお客さんばかりじゃないですからね
「それでもあの客を相手にちゃんと接客できる姉ヶ崎妹はすげぇよ」
「何ですかぁ~? センパイてば、急にそんなこと言っちゃってぇ……あ! もしかして、アタシのこと尊敬しちゃいましたかぁ~
「まぁ……そうだな。普通に『尊敬』したよ」
「み、みゃっ!?」
(え、尊敬って……そんなちょっと、冗談で言っただけなのに……いや、でも! どうせ、センパイのことだからここから上げて落とすに決まって――)
「だって、今日一日接客しただけでも俺すげぇ大変だったぞ?
なのに、姉ヶ崎妹はあれを生徒会と両立させながらちゃんとやっていたんだろ? お前の接客も普段からは想像できないくらいにちゃんとしていたしな。
やっぱり、姉ヶ崎妹って普段はふざけているけど……俺とは違ってちゃんと『自分に責任のあること』はしっかりしているんだよな。生徒会も仕事も意外にサボらないし、今日のバイトだって俺に気を使ってくれただろ?」
(だから、まぁ……何だ?)
「お前のそういうところは……素直に『尊敬』できるよ」
「~~~~ッッッ!!」
「ん? 姉ヶ崎妹、どうした? 急に後ろなんか振り向いて……」
「い、いや……何でもないですよ! センパイは気にしないでくだしゃい!」
「そ、そうか……」
「…………」
(んもぉ~~~~ッッッ!! センパイってば本当――にっ! 本当に……なんか…………そういうところだぞ!!! って、感じなんですから……いけない! このままじゃセンパイのペースに狂わされてばっかり! さて、ここからはアタシの反撃といきますかねぇ~
「センパイてば、急にアタシのことなんか褒め出したりしてぇ~、今日もバイトの後『遅いから家まで送っていく』とか言ってくれますし……あ! もしかして、アタシのこと狙っているんですかぁ~
「バーカ。そう言うセリフは、朝倉さんみたいにラノベの一巻の表紙が似合うような
「例えがよく分からないけど、なんかとにかくムカつくぅー!?」
「それに……」
(まぁ、気にしすぎかも知れないが……)
「センパイ、何ですか?」
「まぁ、いくらお前はいつものバイト帰りで慣れていると言っても……先輩の俺としてはこんな夜中に可愛い後輩を一人で帰らすわけにはいかないだろ? って、ことだ……」
「みゃ!? そ、そうですかぁ~? へぇ……」
(まったく、こう言う時だけ『先輩』っぽいこと言うんだから、本当にズルいですよ……)
「じゃあ、そう言うのなら……ちゃんとエスコートしてくださいねぇ~?
「ああ、任せろ……
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとうね。委員長よ♪
ついに、今日MF文庫JのHPで『何故かの』3巻の表紙が公開されたわ。
クフフ……皆、待たせたわね? 気になる表紙は是非、MF文庫JのHPで確認してね♪」
【何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけて来るんだが? 3】
https://mfbunkoj.jp/product/nazekano/321904000167.html
7月25日発売! 書店での予約をお願いします!
「さーて、次回の『何故かの』は?」
次回「取り調べ」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわね。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
グーかな?
また、グーかも?
やっぱり、グーじゃない?
きっと、グーだったりして……
もしかしたら、今日も『グー』を出すかもしれないわよ……?
【チョキ】
「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」
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